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直談判への答えは「土砂投入通告」 玉城デニー知事、打つ手阻まれピンチ

2018年12月14日 07:51

 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て土砂の投入を翌日に控えた13日。民意を背に工事中止を求める玉城デニー知事の再度の直談判に対し、菅義偉官房長官や岩屋毅防衛相から返ってきた答えは予定通りの「土砂投入通告」だった。玉城県政は国の強硬姿勢の前に打つ手を阻まれ、14日の最重大局面を迎える。(政経部・銘苅一哲、大野亨恭、東京報道部・上地一姫、大城大輔)

会談で厳しい表情を見せる岩屋防衛相(左)と玉城デニー知事=13日午後、防衛省

丁寧さ演出も

 「工事を進めさせていただきたい」

 土砂投入の中止を迫った知事に岩屋氏は淡々と返した。その後、首相官邸で面談した菅氏も対応は変わらなかった。集中協議で物別れに終わったことから官邸は当初、面談にすら慎重だった。

 玉城知事は当初、安倍晋三首相との面会を目指したのに対し、首相側は「日程の都合」を理由に応対を回避。岩屋防衛相や菅官房長官が対応することで「丁寧さ」(官邸筋)を演出した。

 政府関係者は「段取りは十分踏んだ」と知事を突き放しこう語る。「いよいよだ。もう後戻りはできない」

 県の法的措置は国の対抗措置でかわされ、知事が望みを託す「対話」も、局面を打開する糸口にはつながっていない。

 工事を止める手だてはあるのか-。知事は会談後、記者団にそう問われ、「ずっとその協議を続けているが、まだはっきりとした手だてが見つかっていない」と本音をあらわにした。

 県幹部は「土砂投入を直ちに停止する特効薬は見つからなかった。ならばせめて知事が政府に直談判しなければ、と話し合った結果の行動だ」と投入直前の上京理由を説明。別の幹部は「大臣と会う以上の手があるのか」と、民意を背にした再三の訴えも通じず、いら立ちを口にした。

際立つ苦境

 政府与党に辺野古問題で追い詰められる玉城県政の苦境は、沖縄振興に関する会合の場でも際立った。

 辺野古を巡る会談に先立ち13日午前、自民党本部で沖縄振興調査会と美ら島議員連盟合同会議が開かれた。2019年度の税制改正で沖縄関係8項目はいずれも認められる方針であることなどが報告された。

 知事は県連の配慮により会議へ初出席。だが、中央の席には県経済団体会議の石嶺伝一郎会長や照屋守之県連会長らが並び、知事に用意されたのは石嶺会長と背中合わせになる左脇の列だった。「税制改正のために誰が汗をかいたか一目で分かる」(党関係者)席順だ。

 特に、下地島空港への航空機燃料税の軽減措置の適用は、石嶺会長らが税調幹部を回って認められた。ある経済関係者は辺野古を巡って県と国は対立していることを挙げ「県と一緒だと面会の約束が取りにくいこともある。県ができない分は経済界がやらないと」と口にする。

 自民県連関係者は「予算、税制は経済界と自民が汗をかき、普天間代替施設は政府の計画通り粛々と進む。現県政の動きはパフォーマンスと悪あがきにしか見えない」と冷ややかに語った。

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