本島中部は12月に入って山芋スーブ(勝負)の季節を迎えた。あすは、うるま市石川で「全沖縄」と銘打った20回目の大会が開かれる。読谷村では翌週のチャンピオン大会を控え、10以上の自治会で一斉に予選が繰り広げられる

▼春に数キロの種芋を植え、9カ月ほど丹精を込めて育て、一株からとれる重さを競う。数字で表れる厳しい勝負の世界。まれに300キロを超す大物を育てる人もいる。「男のロマン」と表現する山芋づくりファンは少なくない

▼うるま市の山田正さん(62)はこの10年間他の追随を許さない。自己記録387キロはおそらく県記録。直近11回の「全沖縄」では優勝9回、準優勝2回を誇る

▼そんな山田さんでも初めは勝てない時期が続いた。今は亡き母親との時間をつくろうと23年前に一緒に取り組むもなかなか結果が出ない。土づくりやデータ集め、試行錯誤を一つ一つ積み上げて現在の地位を築いた

▼畑で一株ごとに12メートル四方の広さを確保し、高さ1メートルの棚につるをはわせる方法をあみだした。水をまくのは夜11時、肥料を入れるタイミング…。400キロ超えの目標へ手を抜かない

▼ことしは猛烈な台風の吹き返しにさらされ厳しい結果も予想されるが「宝物を掘り出す瞬間の楽しみは何とも言えない」と期待に胸を膨らます。「努力の証し」はあす朝に明らかになる。(溝井洋輔)