初めての土砂投入作業が終わり、夕暮れの米軍キャンプ・シュワブ沖(沖縄県名護市)。工事車両は小型トラック数台が動いているだけで抗議船やカヌーはいない。静かな海上に、色とりどりの風船がたなびいていた。武力やいがみ合いではなく、友好の象徴として若者たちが用意した監視船や工事作業員へのアピールだ。「求めているのは平和と対話。土砂じゃなく、愛で海を埋められたら」と願う。
集まったのは、知事選で玉城デニー知事を支援した若者たち。土砂投入が迫った数日前、選挙を通してつながった若者のLINEグループで、誰からともなく「現場行く?」と確認し合った。
大学院生の西永怜央菜さん(23)は「自然が積み上げた歴史が壊れされるかと思うと無力感がある。土砂が投入された海を自分の目で見ることで、人に伝えられることがあるのでは」と足を運んだ。
東新川藤佳さん(31)は「政府がこれほど工事を急ぐことが理解できない」と嘆く。「サンゴは台風などで傷ついても再生する。サンゴのように、傷ついても光を目指して強く成長したい」と語った。