図書館なのに、こんなににぎやかでいいものだろうか。もちろん、いいに決まっている。何しろ半年以上も利用できなかった県立図書館が装いも新たにオープンした日なのだから。館内のざわめきは、新たな図書館への県民の期待の声

▼3フロア吹き抜けのエントランスの向こうには、広々とした子どもの本のスペース、階段を上ると一般書、郷土資料のコーナーが控える。与儀公園のそばにあったときとの最大の違いは、バスターミナルや商業施設と同じ建物の中にあるということ

▼交通の便がいいとは言えなかった場所から、モノレール駅も近い現在地へ。人々が行き交う交通の結節点に、古今東西の書物と私たちをつなぐ知の結節点ができ、さまざまな人が利用しやすくなった意義は大きい

▼健康や医療、暮らしの困り事、就業やビジネス支援といった課題解決型の書籍も取りそろえた。移民情報のほか、アメリカや中国など他文化紹介コーナーも新設され、社会の多様性を知る格好の場となった

▼自分好みの情報だけが次々と表示されるインターネット上とは違う、情報の海が広がる。書棚には、さまざまな思想信条や森羅万象を記した本がずらりと並ぶ

▼気軽にぶらりと訪れるのもいい。伊波普猷初代館長も、こう呼び掛ける。「閲覧料もいりませぬから散歩の序(ついで)にでもお寄りください」。(玉城淳)