社説

社説[山川・多和田の快挙]沖縄球史に残る偉業だ

2018年12月21日 09:17

 野球ファンだけでなく、多くの県民が誇りに思う成績を残してくれた。プロ野球、埼玉西武ライオンズの山川穂高内野手である。47本の本塁打を放って、県出身選手では初となるパ・リーグMVPと本塁打王に輝いた。

 投げては、同じく西武の多和田真三郎投手もプロ3年目で16勝を挙げ、パ・リーグの最多勝を獲得している。昨年の東浜巨投手(ソフトバンク)に続き、県勢が2年連続の最多勝に輝いた。

 攻撃、投手の要としてチームの10年ぶりのリーグ優勝に貢献した二人。沖縄タイムス社は21日、埼玉県所沢市にある西武の本拠地・メットライフドームで、「特別スポーツ賞」を贈る。同賞の贈呈はこれで16個人・団体となる。県民と共にたたえたい。 

 山川選手は鍛え上げた強靱(きょうじん)な体でフルスイングし、白球をスタンド上段まで運ぶ。パ・リーグで40本塁打を超えたのは、2011年に先輩の中村剛也選手が出して以来となる。全試合に4番打者として出場した。強打者がそろう西武で、4番で全試合出場を果たしたのは、1996年の清原和博さん以来である。

 多和田投手は、開幕から好投を続け、8月に第1子となる長男が生まれてからは、負けることなく結果を残した。完投5試合はリーグ最多で、球団で1年間先発ローテーションを守り続けたのは多和田投手だけだった。

 二人は3・4月と9・10月の月間MVPを受賞。同一チームの打者と投手が同じ組み合わせで2度の受賞という、史上初の快挙も成し遂げた。

    ■    ■

 山川、多和田の両選手は中部商業高校、富士大学(岩手県)の先輩と後輩である。高校時代に指導した盛根一美さんによると、二人の練習への姿勢には目を見張るものがあったという。

 山川選手は練習メニューが終わっても「おかわりください」と言って、苦手な球種を克服する追加の練習に打ち込んだ。

 多和田投手は下半身の強化に努めた。柔らかい下半身を生かし、右膝が沈み込むフォームを高校時代に身につけていた。

 プロになってもそれぞれの目標やこだわりを胸に、血のにじむような努力を重ねてきた。今季のタイトルは、その努力のたまものである。

 プロに多くの好投手を送り出してきた沖縄だが、打者としては打点王になった石嶺和彦さん以外に出ていなかった。山川選手の本塁打王、MVPはその点でも偉業である。

    ■    ■

 沖縄の選手はプロでは大成しない-。プロ野球界にはそんなイメージがあるという。

 山川選手は、そんなイメージを払拭(ふっしょく)することも使命としていると公言している。そのためハードに練習し、結果を出すことにこだわっている。沖縄への思いから自らを奮起させ、厳しいプロの世界のトップで実績を残していることに励まされる県民も多いだろう。

 二人は、県内の野球少年の夢となり、目標に向かい努力する若者の手本となっているに違いない。両選手の活躍が続くことを期待したい。

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