写真を拡大 那覇市内にあるコワーキングスペース「howlive」で開かれた、働き方改革に関するパネルディスカッション。左から普久原朝親氏、金子智一氏、日比谷尚武氏、伏見学

 コワーキングスペースを運営するマッシグラ沖縄タイムスとITmedia ビジネスオンラインは11月29日、働き方改革に関するイベントを開催した。那覇市の沖縄タイムス本社ビルに新たにオープンした「howlive」を会場に、数十人の参加者が自分自身やチームの働き方を考えた。

 キーセッションでは、「あなたの働き方を『シフト』する 時間や場所にとらわれない、新時代のワークスタイルとは?」と題したパネルディスカッションが行われた。登壇者は、一般社団法人at Will Work理事の日比谷尚武氏、日本マイクロソフト 人事本部採用グループ シニアリクルーターの普久原朝親氏、マッシグラ沖縄タイムス社長の金子智一氏、モデレーターはITmedia ビジネスオンライン編集部の伏見学が務めた。

 パネリストは自身の働き方を紹介するとともに、「まずはできることからやってみよう」と聴衆に対してマインドチェンジを繰り返し強調した。

自分がやるかどうか

 「自分の会社ではリモートワークなんてできない」「パラレルワークを実現できるのは限られた人だけ」といった声はよく聞くが、自分一人でも始められる働き方改革はたくさんあるという。例えば、SkypeやZoomといったWebツールを使って社内会議にリモートで参加するなど、そうしたことから始めていけばいい。

 複数の企業や団体に所属している日比谷氏は、典型的なパラレルワーカーとして日々さまざまな仕事をこなしている。そのためリモートワークが中心であり、移動時間などもフル活用して業務効率を高めている。今ではこのワークスタイルが当たり前になった。「こうした働き方をするために特別なITツールは必要ありません。それよりもやるかどうか、自分の気持ち次第」と強調する。

写真を拡大 沖縄でこうしたテーマのイベントは珍しいようで、問題意識の強いビジネスパーソンたちが会場に集まった

 普久原氏は東京で10年以上勤務した後、2016年8月から地元・沖縄で生活。普段は読谷村にある自宅で仕事をしている。マイクロソフトのオフィスには随分と行っていないが、それでもまったく問題ないそうだ。なぜなら基本的にリモートワークで仕事が回る上、そのほうが効率的だからだ。

 「毎日オフィスで午前9時に仕事が始まり、午後5時に終わる。そんなことは実際のビジネスの世界ではあり得ない」と一般的な勤務体系をバッサリ。時間や場所に縛られた働き方がいかに生産性を下げているかを指摘する。

 例えば、クルマ社会の沖縄では通勤・帰宅時の道路渋滞が深刻だ。仮に電車の中なら何か作業ができるかもしれないが、クルマを運転していると両手はふさがっているため難しい。通勤の時間帯をずらしたり、いっそのこと自宅でリモートワークをすることで、無駄が省けるはずと普久原氏は聴衆に訴える。

 金子氏は多くの企業で見られる職場環境に言及。仕事やビジネスの中身は時代とともに大きく変わっているのに、オフィスレイアウト、例えば、机を横に並べて、マネジャーが全体を見渡すような場所に座るといった商習慣は数十年間もほとんど変わっていないという。

 今やさまざまなITツールを使って仕事をすることは、会社の業態や規模にかかわらず当たり前になっている。単に働く場所だけを考えれば、自社のオフィスに限定する必要はないだろう。どうしても会社に来なければできない仕事は少なくなっているはずだ。

 こういう話になると、社員同士が顔を合わせたコミュニケーションや、同じ空間で働くことでの一体感が大事だという意見が出てくる。これに関して普久原氏は「もちろん、対面に勝るコミュニケーションはありません。けれども、必ずしも対面であることが日ごろの仕事の中でどれだけあるのでしょうか。Web会議などで補えるものもあるはず。業務の内容をきちんと見極めて、それぞれに合ったやり方を選択できるということが大事なのです」と力を込めた。

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