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社説[沖縄関係予算]国の統制 強まる懸念が

2018年12月22日 10:14

 政府は21日の閣議で、2019年度予算案を決定した。沖縄関係予算は3010億円で、18年度当初予算と同額。沖縄振興一括交付金は、18年度に比べ95億円減額され、1093億円にとどまった。

 12年度に導入された一括交付金は、使い道の自由度が高く、市町村からは「ソフト事業にも幅広く活用できる」と歓迎されているが、15年度以降減り続け、19年度は制度導入以来最も低い額となった。

 なぜ、強い要望があるにもかかわらず減り続けるのか。

 内閣府は当初、減額の理由として「執行率の低さ」を指摘した。県の全庁的な取り組みが功を奏し、執行率は大幅に改善されたが、それでも一括交付金の減額は続いた。

 一括交付金は、ソフト事業に充てられる沖縄振興特別推進交付金と、ハード事業を対象にした沖縄振興公共投資交付金に分類される。

 一括交付金の導入で、使い道が限定されていたかつての、いわゆる「ひも付き補助金」は廃止された。

 肝心の一括交付金が減額され続ければ、住民のニーズに対応した施策の展開が難しくなる。

 気になるのは、これまで聞いたこともない「沖縄振興特定事業推進費」が新たに30億円計上されていることだ。

 これは一体、何か。内閣府沖縄担当部局は「一括交付金を補完するもの」だと説明する。県を通さずに国が直接、市町村に交付するという。

 一括交付金を減らし、代わりに県を通さない特定事業推進費を設ける理由がはっきりしない。

    ■    ■

 内閣府は「迅速、柔軟に対応すべき市町村等の事業を推進する」と言う。

 年度途中で必要になった施策や、他の市町村に効果が波及するような、先導性のある事業に充てる計画らしい。

 そう言われても、なぜ今なのか、という疑問への説明にはなっていない。

 「現時点で、具体的なものが決まっているわけではない」(財務省)だけに、唐突な印象は否めない。

 「市町村等」の「等」は何を想定しているのだろうか。必要があれば辺野古区のようなところにも交付するということなのだろうか。

 一括交付金を減額し、新たに国から市町村に直接、交付金を流す仕組みができれば、それだけ国のコントロールが強まる恐れがある。

 玉城デニー知事は新基地建設に反対している。玉城県政と考えを異にする保守系首長の意向に、国が柔軟に対応することができる、という側面もある。

    ■    ■

 沖縄振興特別措置法に基づく沖縄振興計画は、2021年度までの10年計画で、一括交付金が制度として確約されているのも21年度末までである。

 県は期限切れ後の振興のあり方を議論するため、来年度、外部の有識者による検討会議を発足させる。

 22年は復帰50年の節目に当たる。この機会に、現行の一括計上方式をいつまで続けるのか。財政依存の体質から脱却する道筋をどう描くか。抜本的な議論を期待したい。

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