クリスマスケーキの素材などで、最も需要が高まるイチゴの卸売価格が高騰している。暖冬の影響で全国の産地で育成が進み前倒しで出荷されたことで、最盛期の年末に品薄になっているためだ。近年は高値傾向が続いているが、今年は1パック2千円(24粒・Mサイズ)と前年より300~500円値上がり。イチゴの出荷は23日がピーク。沖縄県内の卸売業者は利益を乗せて販売することができず「売り上げの約10%は赤字を覚悟している」と話す。

傷つかないよう梱包された「さがほのか」の状態を確認する兼正青果の古波倉正嗣部長=22日、那覇市の同社

 全国の市況では22日、イチゴの1キロ当たり平均価格が2870円。「とちおとめ」は3006円と、過去5年平均より686円も上がった。県内の卸売市場ではイチゴは競りには出されていない。沖縄協同青果の担当者は「個別で注文を受けて入荷している。どの産地も品薄で引き合いが強く、競りに出せる量を確保できない」と説明する。

 青果卸売販売業の兼正青果(那覇市、古波倉正光代表)では同日、県内のケーキ工場やホテルなどへのイチゴの納品がピークを迎えた。17~25日の約1週間で入荷するイチゴは約150万粒と前年よりも10万粒増えた。

 高値対策として米国とオランダから仕入れたイチゴの提案や、産地からの流通段階でイチゴが傷つかないよう特別な梱包(こんぽう)をして、返品を減らす取り組みを進める。

 古波倉正紀常務は「今年は異常で、一部は仕入れれば仕入れるほど赤字。ただ取引先との信頼関係があるので欠品せずに納品することが重要。お客さまへの恩返しと思って、覚悟している」と話した。(政経部・川野百合子)