就労サポートSHINSEI(那覇市、石井紀伊子代表理事)を利用する、身体や精神に障がいのある人たちが、沖縄の民話を収録したアニメDVDを制作した。アニメ制作の経験がほぼない中、脚本やアフレコといった全ての作業を手掛けた。同団体理事で、自身も視力を失った中で原画や編集を担った儀間真一郎さん(45)=豊見城市=は「障がい者でも諦めずに夢を追いかけたい。活躍できる場を一緒につくりたい」と話す。(社会部・比嘉桃乃)

就労サポートSHINSEIが作った「夫振岩」の一場面

DVD「うちなーのんかしばなし」を制作した就労サポートSHINSEIのメンバー=22日、那覇市内

就労サポートSHINSEIが作った「夫振岩」の一場面 DVD「うちなーのんかしばなし」を制作した就労サポートSHINSEIのメンバー=22日、那覇市内

 DVD「うちなーのんかしばなし」には、北部地域に伝わる「夫振岩(うとぅふいじぃ)」と怪談「美栄橋・十貫瀬の逆立ち幽霊」の2本を収録。沖縄に古くから伝わる昔話や沖縄の言葉を知ってもらおうと、登場人物が話す言葉はしまくとぅばや沖縄なまりだ。

 8月から作り始め、完成まで4カ月かかった。吉田樹生さん(28)=八重瀬町=は「経験がなくてもできるんだという自信につながった。他にもいろんな分野に挑戦したい」と意欲を見せる。浦添市の山里鈴花さん(28)はデザインの仕事に携わった経験からパッケージデザインを担当。「これまでは自分の殻に閉じこもっていたけど、みんなと悩みを共有でき自分を出せるようになった」と笑顔で語る。

 怪談に出てくる「おじぃ」を声で演じきった大城重三さん(55)=那覇市=は「役作りが難しかった。また声優をやってみたい」とはにかむ。大澤さおりさん(46)=与那原町=は「今後も方言の練習を続けていきたい」と意気込んだ。

 儀間さんは「DVDを全島の全ての子どもたちに届けたい」と語る。今後も沖縄の民話や移民の歴史を伝えるアニメを制作予定だ。DVDは県立図書館に寄贈するほか、千円で購入も可能。SHINSEIでは一緒にDVDを制作する仲間も募っている。問い合わせは電話、090(8290)1975。