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社説[安倍政権7年目に]行政監視の機能高めよ

2018年12月24日 08:20

 安倍晋三首相が2012年12月、政権に返り咲いてから26日で7年目を迎える。

 安倍首相はこの間、五つの国政選挙に圧勝。9月の自民党総裁選で3選を果たし、10月に第4次安倍内閣を発足させた。

 現在、衆参両院とも与党が3分の2を超える。近年にない長期政権である。

 党内に対しては、人事や公認権をちらつかせ、時にどう喝を加えて抵抗勢力を萎縮させる。官僚に対しては、内閣人事局が局長以上の人事権を把握し、官邸からにらみを利かせる。

 政権が長期化すれば、官僚は自己保存本能から率先して恭順を誓い、官邸の意向を忖度(そんたく)するようになる。

 選挙で勝ち続けてきたのは、何よりも、民主党政権の崩壊後、野党が四分五裂し、弱体化したこと、公明党との自公協力が定着したこと、などが大きい。

 支持率と株価の動きにたえず注意を払いつつ、野党の準備不足に乗じて、理由もないのに解散・総選挙を実施し、参院選のない年に対立法案を強引に成立させる。

 「政権交代可能な小選挙区制」といううたい文句は今や、すっかり干からびたスローガンになってしまった。

 深刻なのは、国会のチェック機能が弱まり、単なる追認機関になってしまったことだ。3分の2の数の力は、少数意見の尊重にこそ生かされるべきだが、現実は、異論や熟議を封じ込める力になっている。

 国会の劣化は、三権分立そのものを危うくする。

    ■    ■

 大島理森衆院議長は、通常国会閉会後の7月末、森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざん問題などを取り上げ、「民主主義の根幹を揺るがす」と、反省と改善を求める談話を発表した。異例の対応だ。

 政府の不祥事に対して国会がチェック機能を果たさなければ、「安倍1強」のおごりや緩みは止まらない。

 臨時国会での改正入管難民法を巡る議論の際も、大島議長は、異例の「裁定」を下した。

 来年4月の法施行前に、政府がつくる政省令の内容を国会に報告し、法務委員会で質疑するよう求めたのである。大島議長は、21日に福岡市で講演し、改正入管難民法について「(内容が)少し粗い。説明責任は政府にある」と注文を付けた。

 疑問にきちんと答えることなく審議を打ち切り、数の力で押し切るのが当たり前のようになってしまってはいないか。

    ■    ■

 政策の決定過程が不透明で、説明責任が十分に果たされないまま、物事が強権的に進められていく。

 その典型が名護市辺野古の新基地建設である。

 県はこれまで、埋め立て工事に法律違反の疑いや留意事項に反する疑いがあるとして、何度も問題点を指摘し、工事の中止を求めてきた。

 だが、政府はまったく聞く耳を持たない。民意を無視した強権的な基地建設は、あってはならないことだ。

 国会の劣化と議会制民主主義の形骸化は、専制政治をもたらす。

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