もしや未知との遭遇? 夜空に浮かぶ「謎の光」に、胸をドキドキさせた人も多いかもしれない

▼先週、那覇市の西の上空で目撃された複数の点光源。集まったり消えたりする奇妙な動きは、まるで子どものころに思い描いたUFOのようである

▼本紙ホームページに動画が載ると、アクセスが殺到。テレビ局のワイドショーでは出演者が「UFOに間違いないでしょう」「アメリカとロシアが近く存在を発表します」と脱線気味に盛り上がっていたそうだ

▼米海兵隊が照明弾を使う訓練をしていたと認めたことで、とりあえず騒動は沈静化。「信じていたのに残念!」という超常現象ファンのため息が聞こえてきそうだ

▼とはいえ、照明弾がそんなに長く滞空するのか、今まではどうだったのかという疑問は消えない。米軍が開発中の兵器ではという怪しげな説も飛び交い、何だかキツネにつままれたような気分である

▼それにしても、近くの島では人の影ができるほど明るかったというから、夜中に迷惑な話。こんな訓練がされていたとは、ほとんどの人は知らなかったに違いない。どの射爆撃場で、どんな軍用機を使っていたのかも、闇の中だ。謎めいた超常現象はミステリーのままであってほしいが、住民生活にかかわる「基地の謎」は打ち止めにしてほしい。(鈴木実)