2015年の教員採用試験の口利き疑惑を巡り、安慶田光男元副知事と諸見里明前教育長の双方が損害賠償を求めた訴訟で、安慶田氏は25日、控訴せず、副知事時代の退職金約1059万円を全額返納すると表明した。26日午前0時、控訴期限を迎え、安慶田氏の口利きの事実を認定した那覇地裁判決が確定した。

参考人招致で弁護士の助言を受ける安慶田光男元副知事(左)=2017年2月、県議会

 安慶田氏は代理人弁護士を通じてコメントを発表した。「判決は到底納得できるものではない」としつつ、控訴による裁判の長期化で県民や家族、関係者に迷惑や負担を掛けるとし「問題に早くけじめをつけて、残された人生を再スタートしたい」と理由を説明した。

 退職金については「故翁長雄志知事の温情であるなどのいわれなき批判を避け、県政の混乱を避けるためにも全額返納する」とした。

 安慶田氏は事実ではない証言文書で名誉を毀損(きそん)されたとして諸見里氏を提訴。諸見里氏も不当な提訴などで精神的苦痛を受けたとして反訴していた。那覇地裁は11日、口利きの事実を認定し、安慶田氏に対し、諸見里氏へ慰謝料など525万円を支払うよう命じた。