医療界では、体力不足の患者さんが問題になっています。筋肉が少なすぎて日常生活をおくることができない人が増えています。筋肉をつけるには、タンパク質をとって運動をすればいいはずですが、そもそも運動ができない体になっているのです。

腕立て伏せ(いらすとや)

 そこまで体が弱る前に対処する必要があるのですが、運動ができるようにする準備が必要です。そのためにタンパク質を十分とる必要があります。

 成人の体は、除脂肪量(体重から体脂肪量を引いた値)の約20%がタンパク質です。標準的な体格の人であれば、約10キログラムが体の中のタンパク質ということになります。体組成計でみかける筋肉量(骨格筋量)は、水分も含まれているので10キログラムより多く表示されます。筋肉量=タンパク質量ではないことを知っておいてください。

 タンパク質は筋肉や内臓、皮膚、爪、髪の毛などの材料です。体内では常にタンパク質の合成と分解が行われています。食物からタンパク質を摂取するとともに、ほぼ同量を排泄(はいせつ)して均衡を保っています。

 どれくらいのタンパク質を食物からとるといいのでしょうか。「日本人の食事摂取基準2015年版」では、成人のタンパク質の推定平均必要量を0・72グラム(体重1キロあたり1日摂取量)、推奨量を0・90グラムとしています。体重70キログラムだと1日50・4グラム~63グラムになります。肉や魚だけでタンパク質をとるとすると1日200~300グラムの計算ですが、米や豆腐にもタンパク質は含まれており、半分くらいの肉や魚の量になる人が多いと思います。

 スポーツをする人、仕事の作業量の多い人からすると、少ない印象を受けるかもしれません。スポーツをする人には、1日体重あたり1・2~2グラムのタンパク質摂取が推奨されています。0・72~0・90グラムでは、筋肉量の少ない体になってしまい、スポーツでいいプレーができないのです。

 たとえスポーツをしなくても、誰もが丈夫な体でいたいはずです。運動できなくなるほど体が弱る前に、運動で体を鍛えましょう。同時に、肉類・魚介類・卵をしっかり食べましょう。(西原町・ゆいゆい内科クリニック 安谷屋徳章)