沖縄水産高校福祉サービス系列2年生の野原楓花さん(16)と徳浜蘭さん(16)が、地域の事業所と協力し木製車いすやミニチュア車いすのキット製作に取り組んでいる。入学当初からこれまでの活動を、11月にあった「福祉大賞コンテスト」(主催・長崎ウエスレヤン大学)で発表し最優秀賞を受賞。2人は「車いす利用者への理解を広げたい」と意気込む。(社会部・渡慶次佐和)

3分の1サイズの木製車いす(提供)

長崎県で開かれた福祉大賞コンテストで最優秀賞に輝いた徳浜蘭さん(左)と野原楓花さん。車いすのミニチュアキットも作った=糸満市・沖縄水産高校

3分の1サイズの木製車いす(提供)

長崎県で開かれた福祉大賞コンテストで最優秀賞に輝いた徳浜蘭さん(左)と野原楓花さん。車いすのミニチュアキットも作った=糸満市・沖縄水産高校

 木製の車いす製作を始めたのは同じ系列の先輩が実習先で出会った、ある車いす利用者の一言がきっかけだった。「旅行が生きがいだが、空港を利用するたび保安検査場で車いすの金属部分が反応し、身体検査をされるのが不便」。悩みを聞いた先輩が「木製なら不便さを解消できるのでは」と開発に取り組み、当時入学したばかりの2人も関わることになった。

 昨年6月から、廃材を活用した木工製品を手掛ける就労支援事業所「ワークサポートひかり」(糸満市)と協力し製作をスタート。車いすを一つずつ分解することから始め、構造や使われている部品を調べ、木材で組み立てていった。

 木製化に当たり最も苦労したのが、車輪を回転するための「ベアリング」という金属の球形の部品だ。木製だと摩擦や湿気などで変形してしまうのが難点だったが、試行錯誤を重ね、ビー玉で置き換えられることを発見。通常の5分の1サイズから製作し、現在では幼稚園児が座れる3分の1サイズの試作品組み立てまでこぎ着けた。

 耐久性や乗り心地など実用化に向けては課題も多いが、2人の最終目標は大人用車いすの完成だ。その傍ら、ミニチュアサイズの車いすキットを作り、子ども向けの工作教室を開いて好評を得ている。徳浜さんは「子どもたちの『仕組みが分かった』『車いすの人を手助けしたい』との感想がうれしい。福祉への入り口になっているのかな」と手応えを話す。

 将来の夢が作業療法士という野原さんは「木のぬくもりやリハビリのしやすさなど、使う人のことを考えた経験を仕事に生かしたい」と笑顔を見せた。