「あなたが生きているそれだけで/意味のある事だと思います/あなたの幸せを願って/仕合(しあ)わせのウムイ唄」-。車いすの唄者・我如古盛健さん(62)の曲はお年寄りや障がいのある人への優しさにあふれ、心を打つ

▼我如古さんは30代で手足の動きに異変を感じ、40代で沖縄型神経原性筋萎縮症と診断された。本島中部に多い遺伝性の難病で病状は緩やかに進行する。患者は県内で80~100人と推計される

▼中学・高校時代は柔道部で活躍したスポーツマン。角界からの誘いもあったが、もともと勝負ごとが好きではなく断った。大学生のときに出会った三線の魅力にはまり、今は残された筋力で演奏を続ける

▼患者と家族による「希(のぞみ)の会」を立ち上げて会長に就いたのは4年前。根治薬の開発やQOL(生活の質)向上を求める5万筆余の署名によって厚労省の指定研究を勝ち取った

▼2年目のことし、筋力補助器「HAL」によって指や腕の動きが回復したという患者の声が多く上がり、専門医も効果を認めた。筋萎縮性側索硬化症(ALS)など幅広い神経病患者が利用できる拠点を沖縄市につくる動きがある

▼実現すれば全国初で在宅就労のモデルケースにもなるという。患者には立ち止まる時間はない。行政支援も必要だ。新年は一歩進んだという記事を書きたい。(溝井洋輔)