原子力発電所建設など政策の是非を問うため、条例を制定して実施された住民投票(投票不成立、市町村合併を除く)が2018年末時点で、沖縄をはじめ全国で少なくとも37件あり、投票結果が政策に反映された事例が28件(約76%)に上ることが分かった。国内外の国民投票や住民投票の情報を収集し発信する市民グループ「[国民投票/住民投票]情報室」(大阪市)が調べた。同グループ事務局長でジャーナリストの今井一氏は「住民投票が『市民自治』のツールとして機能していることを示している」と指摘した。

 同グループによると、条例に基づく住民投票は市町村合併を除き少なくとも44件あり、条例で定めた投票率に届かなかったことなどによる不成立が7件。

 住民投票には、大都市法に基づき実施された大阪都構想の是非など投票結果に法的拘束力のある「拘束型」もある。今井氏は、条例に基づく44件の住民投票は法的拘束力のない「諮問型」で、首長や議会は投票結果の「尊重」は求められても結果に従う必要はないと説明する。

 その上で「反映が76%もあるのは、諮問型といえども首長や議会の多数派議員だけで決めるものより、主権者である一人一人の住民が出す民意の方が重いと首長らが理解しているからだ」とし、住民投票で示される民意の重要性を強調した。日本の国政は原則、間接民主制だが「憲法改正という最も重要な判断は直接民主制の国民投票によって決める。大事なことは議員だけに委ねず主権者自身が直接決めるということだ」と指摘した。

 県内では2月24日、名護市辺野古の新基地建設に必要な埋め立ての賛否を問う県民投票が実施される。都道府県レベルの住民投票は、1996年に沖縄で実施した日米地位協定の見直しと米軍基地の整理縮小の賛否を問う県民投票以来で全国2例目。投票結果に全国の注目が集まっている。(「県民投票」取材班・伊集竜太郎)