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社説[衆院補選と参院選]真っ当な論戦 今度こそ

2019年1月3日 11:31

 今年、県内で二つの国政選挙が行われる。4月21日に投開票される衆院沖縄3区の補欠選挙と、夏に予定されている参院選。玉城デニー知事誕生後に実施される初めての国政選挙でもある。

 この二つの選挙は、これまでの衆院補選や参院選に比べ極めて重い意味を持つ。

 政府は昨年12月14日から、名護市辺野古の埋め立て予定地への土砂投入を始めた。新基地建設に反対する玉城知事や「オール沖縄」にとっては、一つも落とせない文字通り剣が峰の選挙となる。

 「オール沖縄」が持っていた議席を二つ同時に失えば、玉城知事の求心力は一気に低下し、県政運営への影響は避けられない。

 政府・自民党にとっては、衆参両院の選挙区の議席を奪い返し、沖縄における民意の変化を全国に印象づける機会となる。

 参院選で国政与党が全国で引き続き3分の2超を維持すれば、憲法改正論議に火がつくのは確実だ。

 衆院補選は、玉城知事の後継として自由党県連が擁立するフリージャーナリストの屋良朝博氏(56)と、自民党県連が推す島尻安伊子元沖縄北方担当相(53)の事実上の一騎打ちとなる公算である。

 基地問題に詳しい屋良氏はこれまで、講演活動などを通して辺野古の見直しを主張してきた。一方、島尻氏は「県外移設」の公約を掲げて当選した県選出の自民党国会議員を「辺野古容認」へと改めさせた「先導役」を務めた。

 衆院補選は辺野古問題を議論する絶好の機会である。

    ■    ■

 辺野古問題に関しては、昨年9月の県知事選でも、名護市長選や宜野湾市長選でも、議論が深まらなかった。

 国政与党が推す候補が、辺野古の争点化を不利とみて、「争点はずし」の戦術を徹底したためだ。

 選挙の争点は、経済振興や雇用の質の改善、子育て支援、子どもの貧困対策など多岐にわたるが、だからといって辺野古を語らなくてもいい、ということにはならない。

 沖縄の将来に深く関わる辺野古問題を、逃げずに、堂々と議論してもらいたい。

 衆院補選後に行われる参院選について社大党は昨年暮れ、現職の糸数慶子氏(71)ではなく琉球大学法科大学院教授の高良鉄美氏(64)を擁立する方針を決めた。

 高良氏はオール沖縄会議の共同代表を務め、平和運動にも熱心に取り組んできた。

 ただ、決定にいたる過程があまりにも唐突だったため、出馬の意向を示していた糸数氏の後援会が反発し、不協和音が広がっている。

    ■    ■

 人選を巡って参院選で不協和音が広がれば、衆院補選にも悪影響を与える。早急な環境整備が必要だ。

 参院選には自民党側から、昨年、知事選に立候補した佐喜真淳前宜野湾市長(54)ら複数の名前が挙がっているが、まだ決まっていない。

 名護市長選で勝利した自公勢力はその勢いを知事選につなぐことができなかった。

 二つの国政選挙を通して沖縄の政治潮流がどう変わるかも焦点の一つである。

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