県経済は全体として拡大が続いている。人口・世帯数の増加という国内でも恵まれた環境がある。世界や国内の景気拡大の恩恵も受け、主力産業の観光だけでなく、個人消費や住宅投資なども好調に推移してきた。

 日本銀行那覇支店の12月短観によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス33と、日銀の本・支店の中で最も高い水準となっている。1日付紙面に掲載された県内の専門家による景気の見通しでも、2019年も引き続き県経済の拡大が続くとの見方で一致する。

 ただ、沖縄では今のところ経営者のマインドに弱気さはうかがえないものの、全国に目を向けると先行きの不透明感が強まってきている。

 18年の国内経済は、1~3月期の実質国内総生産(GDP)が9四半期ぶりにマイナスに転じ、4~6月期はプラス、7~9月期は再びマイナスとなり、浮き沈みが激しかった。10~12月期はプラス成長が見込まれているが、景気の足腰は弱いのが実情だ。

 県経済の拡大が県外の好調さを背景に続いてきていることからすると、国内経済が今後どう推移し、沖縄に影響がどう波及してくるのか、注視しておかなければならない。

 県外で成長が鈍化すれば、観光需要が頭打ちとなって、県内景気にも減速感が出てくる恐れは否定できない。観光客や就業者の増加で力強かった個人消費や、設備投資にもマイナスの影響が及ぶ。19年は、景気の失速も想定した「備え」にも十分に目配りする必要がある。

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 専門家の見通しでは、年末にかけて県内の経済成長が失速してくる。最も懸念されるのは、10月に予定される消費税率の10%への引き上げだ。

 りゅうぎん総合研究所は、労働需給が引き締まって企業の本格的な賃上げが始まる時期に消費増税が重なれば、消費が腰折れにならないかと、懸念を示した。

 14年に8%へ引き上げた際にも、国内の個人消費が急激に冷え、景気に深刻な打撃を与えた。再増税の影響を軽減するため政府は、2兆円の対策費を19年度予算に盛り込み、家計の痛みを和らげるポイント制度導入などを決めた。だが、対策が増税による「負」の影響を相殺できる効果があるのかは見通せない。

 米中の貿易摩擦の再燃など世界経済に変調をもたらす海外リスクもある。消費増税も含め国内外の下押し圧力によって景気が腰折れする可能性は低くない。

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 県経済の拡大ペースは緩やかになってくるが、拡大自体は続く。

 この間に、企業が取り組むべきは、生産性の向上、収益力強化に向けたさまざまな工夫であろう。そうすることで、景気が悪化した時にも、その影響をマイルドに抑えられ、事業継続につなげられる。行政や金融機関が緊密に連携することも求められる。

 また、主力の観光では、空港や道路といった交通の混雑緩和や、高度な人材育成など、長期を見据えた取り組みの重要性も増す。官民でなお一層、進めてもらいたい。