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「夢は必ず叶う」 玉城デニー知事の年頭あいさつ全文

2019年1月4日 14:10

 玉城デニー沖縄県知事

県職員向けの年頭あいさつで新年の抱負などを語る玉城デニー知事=4日県庁

 ハイサイ、グスゥーヨ、イイショーガチデービル

 職員の皆さん、明けましておめでとうございます。県知事の玉城デニーです。

 皆様におかれましては、家族ともども輝かしい新春を迎え、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。

 昨年は私にとっても、県全体にとってもまさに激動の1年だったと思います。8月に翁長前知事が急逝され、そして翌9月に県知事選挙が行われました。私は翁長前知事の思いを受け継ぎ、辺野古新基地建設の阻止に全力で取り組むとともに、経済と平和を両立させ、誰一人取り残さない社会、自立と共生、多様性と寛容性にあふれる沖縄を実現するため、県知事選挙への出馬を決心しました。

 その結果、私の考えが多くの県民に受け入れられ、過去最多得票で当選させていただき、10月4日付で沖縄県知事に就任いたしました。

 ちちぬはいやうまぬはいと申します。

 月の走りは馬の走りのようだというたとえです。馬が駆けていくように本当に早いもので私が県知事に就任してから3カ月がたちました。これまでさまざまな議論を行う中で、県政を預かる責任の重さを改めて実感し、身の引き締まる思いが致します。

 今年も県民の皆様のご期待に応えられるような県政運営に邁進するため、決意を新たにしているところです。

 私はこの3カ月間、公約に掲げた新時代沖縄の到来、誇りある豊かさ、沖縄らしい優しい社会の構築、この三つの視点から基地問題をはじめ、経済、文化、教育、福祉、保健医療など、県民の生活や産業などに関する幅広い業務に取り組んで参りました。

 この間つつがなく、業務を行うことができたのは職員の皆さんが日々の業務に誠実に取り組まれていることによるものと考えています。心から感謝いたします。

 さて、沖縄県は3年後に本土復帰50周年を迎えるとともに現在の沖縄振興計画の期限が到来します。今後、新時代沖縄に向けた新たな振興計画の策定について、日本経済の再生にも貢献しうる方向で取り組んでいきたいと考えています。

 本県の経済は平成29年度の入域観光客数が約958万人で、5年連続過去最高を更新しています。平成30年度上半期で約519万人、対前年度比+15万人と順調に推移し、年間1千万人が目前に迫っております。

 また完全失業率や有効求人倍率も改善を続けており、県内景況は平成24年10月以来、24期連続6年連続で拡大するなど好調な状態が続いています。この好調な経済をさらなる発展につなげるため、成長著しいアジアのダイナミズムを取り込み、世界水準の観光リゾート地の形成や、アジアをつなぐ国際競争力のある物流拠点、アジア有数の国際情報通信拠点スマートハブの形成に向けた取り組みを加速して参ります。

 特に那覇空港においては、豊富な国内路線数を有するとともに、国際線やLCCの就航も増えており、来年3月には第2滑走路が整備され、さらなる航空需要拡大が見込まれることから、アジアの航空機整備需要を取り込む産業集積においても魅力的な位置にあります。

 このたび那覇空港に完成した航空機整備施設を生かして、航空機の機体整備から派生する機体部材の製造、補修や特殊部品の保管、配送、航空関連産業に関するMICE開催など、航空関連産業クラスターの形成を目指して参ります。

 また平成29年の農業産出額が1005億円となり、平成28年に続き、2年連続で1千億円を達成しました。特に県産畜産物の海外輸出促進の取り組みなどにより、畜産部門が好調に推移しており今後も畜産物の輸出量の増加が期待されているところです。

 一方で、1人当たり県民所得は全国の7割程度の水準にとどまっており、県民所得の増加に向けては収益力の高い産業が十分に育っていないこと、また全国と比べて低い労働生産性が課題になっています。

 このため沖縄に比較的優位性のある産業の育成やアジアのダイナミズムを取り込む施策を推進し、企業の設備投資や雇用の質を高め、産業全体の生産性を向上させることで県民所得の増加、特に若い世代の所得向上につなげてまいりたいと考えています。

 また私はダイバーシティー多様性、デモクラシー民主主義、ディプロマシー自治体的外交の考え方を県政の取り組みに生かすために、来年度から新たな知事の諮問機関として万国津梁会議(仮称)を設置し、人権、平和、情報ネットワーク、経済財政、人材教育、福祉、自然文化スポーツなどの各領域において、高い見識を有する方々に参加していただき、この会議での議論をさらなる政策の推進につなげていきたいと考えています。引き続き沖縄の地理的優位性を生かし、スケジュール感とスケール感、そしてスピード感をもって、さまざまな施策をしっかり推進してまいります。

 沖縄の自然や歴史、文化についてはその魅力を最大限に発揮するため、多様で豊かな本県の芸術文化を国内外に発信することを目指し、琉球歴史文化の日の制定に取り組みます。

 また今年はユネスコ無形文化遺産に登録されている組踊の上演300周年イベントを実施することとしており、空手についても世界の空手愛好家の受け入れ体制整備や交流拡大を推進し、来年の東京五輪、パラリンピックの開催を見据えて、空手発祥地おきなわを世界中に発信して参ります。

 さらに昨年11月に改めてユネスコ世界自然遺産の推薦候補に決定された奄美大島、徳之島、沖縄島北部、および西表島について奄美地域との交流を深めながら国や地元の自治体などと連携し、登録に向けた取り組みを進めていきます。

 私は自立、共生、多様性の理念のもと、すべての人の尊厳を守り、多様性や寛容性を大切にした、誰一人取り残すことのない社会作りが重要であると考えています。そのため県政の最重要政策として子どもの貧困対策に取り組むとともに、障がい者や高齢者、生活困窮者、マイノリティーの方に対する各種施策を推進してまいります。

 また女性の皆さんがそのライフステージに応じて安心して生活し、活躍できる社会を実現するための象徴的な組織として、県庁内に女性力・平和推進課(仮称)を設置し、女性の活躍を飛躍的に推進するための施策を展開していきたいと考えています。

 これらの施策により全ての県民が心豊かで安全安心に暮らせる沖縄らしい優しい社会を実現して参ります。

 一方で米軍基地問題については、依然として米軍人、軍属による事件、基地に起因する事故や騒音問題などが後を絶たず、県民の目に見える形での基地負担の軽減は進んでおりません。

 特に普天間飛行場の辺野古移設については、多くの県民が反対の意思を示しているにもかかわらず、沖縄防衛局は違法な土砂の投入を続けております。

 県としては国地方係争処理委員会への審査申し出など、県が行った埋め立て承認取り消しの執行停止の効力を止めることに全力を上げているところであります。

 土砂投入に関しても国に強く是正を求めているところであります。

 引き続き、職員皆さんと一丸となって取り組んで参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は今後とも普天間飛行場の早期閉鎖、返還とともに5年以内の運用停止を含む危険性の除去を政府に強く求めて参ります。

 また、過重な基地負担の軽減をはかるため、基地の整理縮小をはじめ、日米地位協定の抜本的な見直し、米軍人、軍属による事件事故など基地から派生する諸問題の解決に、全力で取り組んで参ります。

 なお、2月24日日曜日には辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票が実施されます。この県民投票は間接民主制を補完するものとして、地方自治法に基づく県民からの直接請求により、実施されるものであり、辺野古埋め立てについて県民一人ひとりがその意思を示すことについては民主主義をもととした、主権者による自治の在り方についても大変に意義のあることだと考えています。

 県としては県民投票条例の規定に基づき、客観的、中立的に県民投票に関する広報活動を行って参ります。職員の皆様も投票により自らの意思を示していただきますよう、お願いいたします。

 私はこれまでウチナーンチュが受け継いできた、ウヤファーフジへの敬い、自然への畏敬の念、他者の痛みに寄り添うチムグクルといった沖縄のアイデンティティーは沖縄の文化、精神文化の根底をなすものと考えています。沖縄の将来を担う若い人たちには、大きな志を抱いて、自ら考え、自ら行動し、一人ひとりが輝く自分らしい希望の将来を描いていっていただきたいと思います。

 ドリームズ・カム・トゥルー、夢は必ず叶います。

 私は沖縄の若い皆さんに平和で豊かな沖縄、誇りある沖縄、新時代沖縄を託せるよう、全身全霊で県政運営に取り組んで参ります。

 職員の皆様も各部局長を中心に法令順守を徹底し、県民全体の奉仕者としての責務を心がけ、新時代沖縄に向けて誰一人取り残さない社会を実現するために幅広い視点で県民の期待に応えていただくよう、お願いいたします。

 また、仕事に一生懸命取り組んでいただくのはもちろんですが、くれぐれもお互いに健康には留意いたしましょう。そして計画的に休暇を取得するなどワークライフバランスを心がけて、仕事も私生活も多くの喜びを感じられるような充実した1年にしていただきたいと思います。

 結びに新しい年が皆様にとって良い年となりますとともに、ご家族の皆様のご健勝とご多幸を祈念いたしまして、年頭のあいさつとさせていただきます。

 ユタサルグトゥー、クトゥシン、ウニゲーサビラ。イッペーニフェーデービタン

 平成31年1月4日、沖縄県知事玉城デニー

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