[新うちなーんちゅの肖像]ミス沖縄2019 スピーナ瑛利香さん(24)

 2018年11月、「ミス沖縄2019」の選考会最終審査会。スピーナ瑛利香さん(24)は「うちなーんちゅらしく堂々と、大好きな沖縄の魅力を世界に発信したい」と胸に秘めた思いを審査員にぶつけた。5度目の挑戦。結果発表を待つ数十分間、「目指すなら“沖縄の顔”ミス沖縄だ」と最初の志を振り返っていた。結果発表で名前が呼ばれた瞬間、応援してくれた家族や友人の喜ぶ姿を見て、うれしさのあまり涙があふれた。

ミス沖縄2019 スピーナ瑛利香さん

ホームパーティーで祖父母や両親らと家族写真を撮るスピーナ瑛利香さん(前列右)=提供

ミス沖縄2019 スピーナ瑛利香さん ホームパーティーで祖父母や両親らと家族写真を撮るスピーナ瑛利香さん(前列右)=提供

 フィリピン出身の父と糸満市出身の母との間に生まれた。両親が出会った30年ほど前は、国際結婚への理解はまだ乏しく、母は多くの反対を押し切っての結婚だった。

 「ハーフ」の姉妹が生まれ子育てをする中で、母にはたくさんの葛藤があったと感じた。母は責任感が強く、周囲を納得させたいという思いから、姉妹を学業や私生活でも厳格に育て、結果を出すことや努力することを大切にした。

 琉舞を習っていた姉の影響を受け「私も沖縄らしいことを習いたい」と6歳から空手道を始めた。型の一つ一つの意味や心構え、自分と向き合う大切さなど空手の奥深さに触れることで、自らの成長を実感。同時に空手のルーツを知ることで沖縄の歴史や文化にも興味を持つようになった。

 父親の存在も大きかった。フィリピンで暮らしていた時の話を聞くたびに、もう一つの自分のルーツや、人と人とのつながりを意識するようになった。いつしか、たくさんの人に大好きな沖縄を知ってもらいたいという思いが強くなり、沖縄の顔「ミス沖縄」を志した。

 「ハーフ」という言葉を前向きに捉えている。沖縄とフィリピンのアイデンティティーは誇りであり、他の人にはない強み(ストロングポイント)だ。ただ、両親の教えや空手道の精神、スピーナさんをつくってきたものは“沖縄らしさ”だと感じる。

 研修が終わりいよいよ憧れのミス沖縄としての活動がもうすぐスタートする。県内外や国外を飛び回り、「うちなーんちゅの私として堂々と自分の言葉で沖縄の魅力を発信したい」と目を輝かせた。(政経部・仲本大地)

[うちなーんちゅと感じるとき]季節の行事で実感

 季節ごとの行事で家族が集まる時に「私はうちなーんちゅだな」とハッとします。

 父親がキリスト教を信仰していたこともあり、クリスマスやサンクスギビング(感謝祭)などの行事では、神様へ感謝の祈りをささげています。一方、糸満出身の母親の実家へ行った時は旧正月やシーミー(清明祭)、旧盆など仏壇やお墓の前で先祖に手を合わせてもいます。

 家族間の会話は英語やウチナーグチだったりと、両地域の文化や言葉に触れる時に「私のアイデンティティー」に気付かされます。