「亥(い)年」を迎え、そろそろ1週間だが、なぜか新年を迎えた気がしない。年末年始に体調を崩し、中味汁など豚肉の入ったごちそうと無縁で、年越しに味わう「トゥシトゥイジシ(年取り肉)」を食べ損なったからだろうか

▼「亥」の本来の意味は「豚」。字形は豚の全身に行き渡る骨格を表すとされる。草や木が持つ生命力を内包した力強さを示す意味もあり、縁起もいい

▼日本では仏教伝来による殺生禁断思想の影響からか、食用豚へのなじみは薄かった。だから十二支最後の動物「豚」が「イノシシ」へと変化した

▼例外が14世紀ごろに中国から豚が伝わったとされる琉球。豚肉は食文化として根付き、1875(明治8)年、琉球処分官一行の河原田盛美が書いた「沖縄物産志」には「各島毎戸飼養せり」の記述が残る。貴重なタンパク源として豚の飼育は一般的だった

▼歴史ある沖縄の養豚は、ことし大きな正念場を迎える。昨年末に発効したTPPの影響が本格化するからだ。業界では輸入量が増加すると見通す。心強いのは沖縄のアグーブランドに、うま味成分が多いと科学的な解明がされたこと。沖縄豚肉の価値は上がりつつある

▼官民挙げて、今年をイノシシ年ではなく「亥」の字本来の意味の「ブタ年」とし、勝負の年と位置づけてはどうだろう。豚肉ジョーグーからの提案である。(玉城淳)