今年開館30年を迎える沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館で、これまでの歩みを振り返るロビー展が開かれている。同館は元学徒たちの証言や展示を通して、戦争の悲惨さや平和の大切さを伝えるとともに、戦後世代も伝え手となるなど継承に取り組んできた。今年から来年にかけて行う記念事業などを通し、これまでの活動を今後にどうつないでいくか考える。

ひめゆり平和祈念資料館の歩みを振り返る展示の前に立つ普天間朝佳館長(右)と前泊克美学芸員=糸満市

 同館は、長らく体験を語ることができなかった元学徒たち自身が動き、1989年6月23日に開館。元学徒たちが証言を重ね、若者らに戦争の実相を伝えてきた。体験者が語れなくなっても、若い世代に伝わるようにしようと2004年には展示をリニューアル。15年には原則、体験者の講話を終え、戦争体験のない職員が講話を担うようになった。昨年4月には、元学徒の島袋淑子さん(90)から戦後生まれの普天間朝佳さんに館長が引き継がれた。これまで2200万人以上が訪れた。

 ロビーでは、写真と説明を載せたパネルを9枚展示し、30年の活動を振り返っている。12月末まで展示する。普天間館長は「活動の主軸が非体験者にバトンタッチされている節目。改めて体験者の方々の蓄積を見つめ直している」と語る。

 30周年事業として、来年には展示を再びリニューアルする。祖父母など身近な人にも戦争体験者がいない若い世代にもより伝わる内容にしたいという。館のことをより知ってもらおうと、近くプロモーションビデオを公開する予定。また、トークイベントや戦跡巡りも計画しているほか、記念誌をまとめる。