「女性活躍」の掛け声とは裏腹に、男女平等の度合いを示す指数は低迷を続けている。

 ダボス会議で知られる世界経済フォーラムが年末に発表した2018年版「男女格差報告」で、日本は149カ国中110位だった。中国やインドより低く、先進7カ国(G7)ではことしも最下位である。

 女性議員や閣僚が少ないなど政治分野での低評価が順位を押し下げたようだ。管理職の女性比率が低いなど経済分野での遅れも目立つ。

 1946年の衆院選で8・4%だった女性議員が、70年以上たった今でも10・1%にとどまっていることが遅々として進まない「女性活躍」を物語る。 

 第2次安倍政権で一時5人いた女性閣僚も減り続け、昨秋発足した第4次安倍改造内閣では、とうとう片山さつき地方創生担当相一人になってしまった。

 女性活躍を目玉政策に掲げている政権とは、とても思えない。

 フォーラムが「依然として男女平等が進んでいない国の一つだ」と厳しく指摘したのは、政治的意思の弱さに対して向けられたものでもある。

 状況は地方もあまり変わらない。

 内閣府の調査によると、都道府県庁の課長級以上の管理職のうち、女性が占める割合は昨年4月時点で9・7%(沖縄は10・4%)だった。

 こちらも「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする」という政府目標には程遠い。

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 昨年、東京医科大に端を発した医学部不正入試問題では、女子や浪人生を不利に扱っていた大学が最終的に9校確認された。

 女子を実質減点する得点操作をしたり、女子の合格ラインを男子に比べて高くするなど、理不尽な差別が横行していたのだ。 

 同じく昨年、大きな批判を浴びたのが、財務省の前事務次官による記者へのセクハラ。この問題を巡っては麻生太郎財務相がセクハラへの見識を疑われる発言を繰り返し、永田町や霞が関といった男性中心社会で権力を持つ人たちの人権意識の欠如があらわになった。

 女性たちが直面する課題に対応できない現実と、政治・行政分野への女性進出の遅れは無関係ではない。

 政治家に女性が増えれば、政策の優先順位を変える大きな力となる。

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 昨年5月に成立した「政治分野の男女共同参画推進法」は、政党に男女の候補者数をできる限り均等にするよう求める法律だ。4月に沖縄などを除く統一地方選、夏には参院選があり注目が集まるが、ただ法律は努力義務で、罰則もない。

 男女格差報告で10年連続首位の座を占めるアイスランドは、議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」によって女性の政界進出を後押ししてきた歴史がある。

 政党の取り組みしだいでは、変化を促すクオータ制導入の検討が必要になってくるだろう。