紅型製造・販売の城紅型染(ぐすくびんがたそめ)工房(浦添市)が、紅型染め体験教室での集客を強化し、収益向上につなげている。売り上げの7割を占めていた問屋などへの卸販売を2017年に全て止め、利益率がいい自社店舗での直売に転換。SNSを使い、海外へも体験教室情報を発信し、観光客も含めた参加者は強化前に比べ1・7倍に増えた。参加者の購入も加わって直売が伸び、利益率も改善。売上高は方針転換前から35%増えた。(政経部・照屋剛志)

紅型の染め体験を楽しむ香港からの観光客たち=3日午後、浦添市・城紅型染工房

卸販売やめ直売へ転換

 正月休みの3日午後、工房では香港からの観光客8人が紅型染めを楽しんでいた。日本人観光客もいる室内は中国語や英語も飛び交い、にぎやかな雰囲気。同社営業企画部長の山城信吾氏は「天候に左右されないのも体験教室の売り。子どもと一緒に楽しめると家族連れに特に人気がある」と話す。

 同社は、観光施設や土産品店などへの卸売りを中心に営業していた。近年は材料費や人件費が上昇する一方、卸価格は据え置かれ、利幅が縮小、経営が逼迫(ひっぱく)し始めていた。

 17年に卸販売よりも利益率が2倍ほど高い自社での直売に方針転換。店舗への集客の柱として、体験教室を打ち出した。

 地域の小学生らが対象だった体験教室だが、観光客を主要のターゲットに位置付けた。フェイスブックやインスタグラムといったSNSで週3回ほど、教室の様子や紅型の歴史などを発信。英語と中国語でのSNS発信のほか、台湾と香港の旅行博覧会にも体験教室を出展した。

 参加者は、18年に2450人となり、方針転換前の16年に比べ1・7倍に伸びた。うち外国人は4・7倍の817人と伸びが顕著だった。

 旅行博覧会では、工房で紅型染めを体験した人たちがブースを訪れたり、ブースで体験した人が数日後に友人を伴って工房にやって来たりと効果が大きいという。今後は韓国やシンガポールにも営業を広げていく考えだ。