社説

社説[不参加表明3市に]自治体は主体的判断を

2019年1月9日 08:15

 県民投票に対し態度を保留していた市で対応が分かれている。

 名護市辺野古の埋め立ての賛否を問う県民投票を巡り、糸満市議会は8日、再議に付されていた予算案を審議した。採決の結果、可否同数となったため、議長裁決で可決した。

 上原昭市長は「議会の判断を尊重して実施する」と県民投票に参加する意向を表明した。

 賛成した大田守議長は「条例も法律。法にのっとって判断した」と述べた。議長判断を歓迎したい。

 うるま市議会は同日、島袋俊夫市長が再議に付した予算案を再び否決した。市議会は夜になって県民投票条例に反対する意見書を賛成多数で可決。島袋市長はその後、記者会見したが、態度を明らかにしなかった。

 沖縄市の桑江朝千夫市長は7日の記者会見で「市議会が2度にわたって否決したことは大変重い」と県民投票には参加しないことを表明した。

 桑江市長は市民の投票権が奪われることについて「市長の判断に委ねられているものを執行しているだけだ」と市長の裁量内との判断を示したが、市民は投票権を奪われることまで容認していない。

 首長が不参加を表明しているのは宮古島市、宜野湾市、沖縄市の3人。3市合わせた有権者数は約2割に上り、影響は大きい。

 再議が否決された石垣市の中山義隆市長も不参加の意向を示している。

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 桑江市長は「丸でもバツでもない人たちの思いを無視している」とも強調する。

 桑江市長が想定する人たちには、棄権する選択肢があるし、白票を投じる意思表示の方法もある。県民投票を否定する理由にはならない。

 不参加の3首長も予算案を否決した与党議員らも自民党などが推す政治家である。

 自民党県連は2017年の県連大会で、「普天間飛行場の危険性を除去するため、基地の機能移転並びに訓練の分散移転を図りつつ、辺野古移設を容認し、早期返還の実現を図る」とはっきり辺野古容認へ方針転換した。

 県民投票に参加してなぜ堂々と賛成票を投じないのか。それが不思議でならない。沖縄の将来に責任を持つのであれば、県民投票で態度を鮮明にすべきだ。

 政府・自民党サイドから県民投票に参加しないよう何らかの圧力がかかっているのでは、と疑わざるを得ない。

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 県民投票に反対の首長らは「普天間の危険性除去が原点」としてそれに言及していないことが不満のようだ。

 危険性除去には誰も反対していない。辺野古新基地によって危険性を除去するのか、その他の方策を探るのかが県民投票なのである。

 玉城デニー知事は9日、2度不参加を表明している宮古島市の下地敏彦市長と面談し再考を促す考えだ。知事が乗り出すのは初めてである。

 玉城知事は県民投票の意義を真(しん)摯(し)に訴え、説得に努めてもらいたい。と同時に、あらゆる事態を想定した対応を急ぐべきだ。

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