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「温暖化影響で海面上昇」を読み解く 栩野浩氏(OTSサービス経営研究所社長)

2019年1月9日 14:30
栩野 浩
栩野 浩(とちの ひろし)

OTSサービス経営研究所社長。1962年生まれ、大阪市出身。P&G、ボストンコンサルティングを経て、2002年にコンサル会社を起業。06年より沖縄の地域振興に従事。17年から現職。

 日本の砂浜が危険にひんしている。地球温暖化による海面上昇の影響で、最悪の場合、今世紀末までに日本の9割の沿岸で砂浜の面積が半分以上減るほか、6割が完全に消えるおそれのあることが国の研究機関などの分析で分かった。(2018年12月、NHK)

SDGs(持続可能な開発目標)先進地・沖縄を目指そう

 地球温暖化による海面上昇で、最悪の場合、今世紀末までに日本の砂浜の6割がなくなる恐れがあるという。沖縄も大きな影響を受ける。気候・砂浜を中核資源とする観光立県の根幹が揺らぐ。本稿で「SDGs(持続可能な開発目標)先進地沖縄を目指しませんか?」と提言したい。

 12月にポーランドで開催されたCOP24(国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議)で一筋の光が見えた。緊迫の交渉の末、約200カ国が「パリ協定ルールブック」で合意したのだ。一部の国や団体から十分でないと批判されるとはいえ、先進国と発展途上国に同一ルールを適用することで最大の紛糾点に妥結を見いだし、運用ルールを設定。パリ協定からマラケシュ会議(COP22)、ボン会議(COP23)を経て3年がかりで至った合意だ。

 注目すべきは、COP24の会場で長野県、横浜市、板橋区がプレゼンテーションを行ったこと。この3団体が日本の非政府主体におけるSDGsのトップランナーと目されているということだろう。

 長野県は、再生可能エネルギー100%を目指し、森林を保全しながら木材を熱供給資源にする施策を紹介した。同県は、6月に軽井沢で「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」をホストすることにもなっている。横浜市は「Zero Carbon Yokohama」を紹介。国内大都市で唯一2050年脱炭素化をゴールとし、新横浜周辺の環境モデルゾーン、再生可能エネルギーの地域循環共生圏、脱炭素経済を推進するSDGsデザインセンターなどの設置を進めている。板橋区はSDGs達成に向けた小学校での環境教育を紹介した。

 横浜市が公開している参加報告では次のことが強調されている。(1)パリ協定の実施には「非政府主体(自治体)の努力」が不可欠(2)世界の先進自治体は、1.5℃目標を前提に50年の脱炭素化等の議論を既に進めている。

 沖縄もこの動きに加わろうではないか。

 今、沖縄のファシリテーション協会有志は「チームSDG人(エスディージーんちゅ)」を結成し、県民のSDGs理解を広めようとしている。SDGsを沖縄の文脈で解釈し、生活の中で当たり前のようにSDGsに則した行動ができるよう、「SDGsが学べるロゲイニング」などを企画している。実業界では、弊社も関わってSDGsが学べるカードゲームへの参加拡大に取り組んでいる。このような動きに県や市町村が呼応していただけると大きな動きをつくれるのではないかと考える。

★新企画「ニュースナビプラス」とは? 百貨店やコンビニなどを抱える小売業大手の会長、人工知能(AI)を研究する大学教授、スイーツ開発・販売業社長、旅行会社のシンクタンク社長、仕出し店とIT企業を経営する若手社長の5氏が、それぞれの専門的な知見を基に、国内外の気になるニュースを読み解きます。

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