「子どもの貧困対策推進法」の施行から5年を迎えるのを前に、超党派の議員連盟が法改正の検討を進めている。

 内閣府の有識者会議も「子供の貧困対策大綱」見直しに向けての議論を始めた。

 対象の拡大と取り組みの加速が急務である。

 2014年1月に施行された推進法は、生活が苦しい家庭の子どもの教育支援を柱に、国や自治体の責務を明記した。

 法律を受け同年8月に決定された大綱には、低所得世帯向け奨学金制度の充実や幼児教育無償化などが盛り込まれた。いずれも5年ごとに見直すことになっている。

 今回、論点の一つになっているのが、基礎自治体である市町村による貧困対策計画の策定だ。

 現行は都道府県の努力義務で、全都道府県が策定済みである。実態に応じたきめ細かな支援に結びつけるため、住民に近い地方行政の関与を求めたいという。

 推進法や大綱に基づき実施された施策で、子どもの大学等進学率は生活保護世帯で32・9%から35・3%に、ひとり親家庭は41・6%から58・5%に上昇するなど改善が進む。ただ全世帯の73・0%に比べると開きは歴然。家庭の経済格差が教育格差につながっており、教育費負担のさらなる軽減が必要だ。

 最も基礎的な指標である子どもの貧困率も15年時点で13・9%と、先進国の中ではなお高い水準にある。

 施策の効果を検証した上で必要なもの足りないものを洗い出し、国、都道府県、市町村の役割を明確にすべきだ。    ■    ■

 現行の大綱は、より厳しい状況にあるひとり親や生活保護世帯への施策を柱としているが、両親そろっていても困窮しているケースは少なくない。特に地方ではその傾向が強い。

 「沖縄子ども調査」で食料を買えなかった経験を尋ねたところ、2人親世帯でも25%が「あった」と回答している。

 ひとり親で線引きする支援は果たして妥当なのか。2人親でも子どもの人数や家計の状況によって、手厚くサポートする制度設計が必要である。

 学校をプラットホーム(拠点)に福祉機関との連携に力を入れる現大綱は、成長目まぐるしい乳幼児期の公的支援が薄い。

 保育所を貧困対策の「最初の砦(とりで)」とするなど支援を強め、学齢期の対策にスムーズにつなげることも重要だ。

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 3年前に策定された「沖縄県子どもの貧困対策計画」は、独自の給付型奨学金制度や困窮世帯への学習支援などを盛り込んでいる。

 全国に先駆けてはじき出した子どもの貧困率などのデータによって実態把握が進み、沖縄の子どもの貧困率は25%まで改善されたが、状況はまだまだ厳しい。

 経済支援を突き詰めれば、「再分配」の重要性が浮かび上がる。

 法改正や大綱見直し議論の中で、政府に対し困窮家庭への配分を手厚くするよう求めるべきだ。