沖縄県名護市辺野古の新基地建設を巡る県民投票で、不参加を表明する市長が増える中、全有権者の投票権確保を最優先に「仕切り直し」を求める声が出始めた。県が投票事務を担える形での条例改正や、期日の延期、選択肢の見直しなどが念頭にある。

桑江朝千夫沖縄市長(右)に県民投票の実施を求める「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郞代表(左端)ら=10日、沖縄市役所

県政与党の対応批判も

 「全市町村での同日投票を優先すべきだ。万が一、残り5市がずっと拒否し続けるならどこかで妥協点を探らないといけない」。「『辺野古』県民投票の会」の元山仁士郞代表は10日、桑江朝千夫沖縄市長への要請の後、こう私見を語った。組織決定した案ではないものの、再検討の必要性を公の場で口にするのは初めてとみられる。

 「県民投票の全市町村実施を求める会」に名を連ねる宜野湾市民の友知政樹沖縄国際大学教授は、不参加となった市の投票事務を県が担えるよう条例を改正すべきだと提案する。そのためには2月24日の投票日を延期してもやむを得ないと言う。「投票の権利を確保するため、県はあらゆる手段を講じるべきだ」と、与党県議団への面会を視野に入れる。

 うるま市具志川9条の会共同代表の仲宗根勇さん(77)は、県議会野党の自民と公明の両会派が求めていた4択をのまなかったことが行き詰まりを招いたとし、県政与党のこれまでの対応を批判する。

 仲宗根さんは「議論不足のまま多数派が強行しては、国会での自公の振る舞いと同じこと。『虫くい状態』では県民投票の意義がなくなってしまう」と指摘。辺野古への土砂投入を阻止することに注力し、当面は県民投票は棚上げすべきだと話す。

 1997年の名護市民投票で実施を求める団体の代表だった南城市議の宮城康博さん(59)も「県政与党が賛成多数で二者択一を可決したためにこじれている。再度、県議会で議論し直すべきだ」と県政与党に再考を促す。

 宮城さんは県民投票の意義について「民衆が民意をはっきり示すことができる」と強調した上で、「住民の多様な意見が反映できるよう選択肢を増やすべきだ。県議会で議論の時間が足りなければ告示日を撤回してもいい」と語った。