石垣市白保の成人式は、進学や就職のため島を離れた若者が帰省した正月休みに2日間かけて盛大に行われる。

 今年は4日に公民館主催の激励祝賀会があり、翌5日、新成人自らが企画・運営・出演のすべてを担う成人舞踊発表会が開かれた。

 約65年続く舞踊発表会は、村中が貧しく成人を祝う余裕がなかった時代に、若者たちが郷土芸能を通して親や地域に感謝の気持ちを伝えようと始まった。後輩たちによって引き継がれ、今では新春に欠かせない行事の一つになっている。

 今回、大人の仲間入りをしたのは20人。座開きの「白保節」に始まり、「胡蝶の舞」、十三祝いの時に演じた棒術の再演、喜劇「戻りかご」など全16演目を披露した。地域色を生かしたプログラムや舞台の完成度の高さは、幼い頃から芸能に親しんできた土地だからでもある。

 準備は前年秋に始まり、過去のビデオなどを参考に演目を決め、練習に取り組んだ。冬休みに里帰りしてから本番まではほぼ徹夜で特訓。約300通の案内状は全て手渡しで、出席者に振る舞う料理の手配や舞台の飾り付けにも汗を流した。

 新成人の取りまとめ役を務めた福岡の専門学校に通う内原和哉さん(20)は、「来てくれた人を思い切り笑わせたかった。伝統を通して地域の絆、練習を通して同級生との絆が強まった」と話す。

 多くの時間とエネルギーを費やし、主体的に関わった成人式が、大人へのスタートを深く意識する機会になったに違いない。

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 今帰仁村の成人式は4日、今帰仁城跡で開かれた。これまで村コミュニティーセンターを会場としていたが、新成人の提案で世界遺産に場所を移した。

 村長宛てに手紙を書き会場変更を要請したのは、現在、奈良大学1年の新城孝志郎さん(20)。「子どもの頃からちょくちょく行く所。現代版組踊『北山の風』の思い出もある。地元が誇る場所で成人式を迎えたかった」

 当日は城に映えるようにと仲間とともに緑色の袴で参加。この地に生まれた誇りを胸に刻んだ。

 名護市の1月の風物詩となっている新成人による光文字は13日夕方に点灯する。名護で生まれ育った若者が、名護を思い選んだ言葉が毎年、市街地を見下ろす銭ケ森に浮かび上がる。

 「地域を照らしたい」という思いが伝わる取り組みだ。

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 14日の「成人の日」を前に、きょう県内の約半数の市町村で成人式が開かれる。

 新成人となるのは1998年4月2日から99年4月1日までに生まれた1万6647人。物心ついた頃からスマートフォンやSNSに親しんできた「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代だ。

 成人するということは、親などに守られてきた子ども時代を終え、自らの意思と責任で行動するよう求められることでもある。

 周りに流されず、自分はどう判断するかを大切に、新しい道を切り開いてほしい。