沖縄県豊見城市の会社員、上原栞奈(かんな)さん(20)は13日、祖母、母と同じ振り袖を同じ成人式のタイミングで着て、大人の仲間入りをした。3世代の思い出が45年間にわたって息づく着物姿で「祖母、母、皆のお祝いに包まれていると実感した」と喜んだ。(南部報道部・堀川幸太郎)

成人式で上原家の女性が3世代受け継ぐ振り袖を着る上原栞奈さん(中央)。右側は祖父・俊光さん、祖母・直恵さん。左側は父・晶也さん、母・信子さん=13日、豊見城市我那覇

45年前の成人式で同じ振り袖を着る上原栞奈さんの祖母・直恵さん=1974年(上原俊光さん提供)

成人式で、同じ振り袖を着た上原栞奈さんの母・信子さん(左)。父・晶也さんが抱っこしている赤ちゃんが栞奈さん=1999年(上原俊光さん提供)

成人式で上原家の女性が3世代受け継ぐ振り袖を着る上原栞奈さん(中央)。右側は祖父・俊光さん、祖母・直恵さん。左側は父・晶也さん、母・信子さん=13日、豊見城市我那覇
45年前の成人式で同じ振り袖を着る上原栞奈さんの祖母・直恵さん=1974年(上原俊光さん提供)
成人式で、同じ振り袖を着た上原栞奈さんの母・信子さん(左)。父・晶也さんが抱っこしている赤ちゃんが栞奈さん=1999年(上原俊光さん提供)

 絹の振り袖は優しい白地に、金糸で縁取る赤や黒の菊、梅、牡丹(ぼたん)が映える。花の数や大きさ、色味に抑えが効き、華やかながら落ち着いたデザイン。着る人の清楚(せいそ)さを引き立てる。

 母・信子さん(40)は「自分も着て、娘につなぐことができてうれしい」と1998年の結婚後、誕生した長女の成長にほほ笑む。翌99年が自らの成人式。「お母さんの時はどうだった? と聞いたら『成人式で着た振り袖があるよ』という話になって」と当時の会話を振り返る。

 「お母さん」は信子さんの義母で栞奈さんの祖母の直恵さん(65)。74年の成人式で今回の振り袖を最初に着た。夫・俊光さん(70)と糸満市糸満の実家の父・玉城徳三郎さん(94年没)が折半で買った。

 警察官で、当時の給料が手取り10万円弱だったという俊光さんによると、反物を買って仕立てるまでに24万円。「正直、高い…。が、直恵が喜ぶなら」。決断は正しかった。愛妻、その妹たち、まな娘ら、息子の妻、初孫の栞奈さん。ゆかりの女性7人の成人式や結納を彩った。

 母・玉城幸子さん(91年没)の丁寧な手直しも息づく品に直恵さんは「今は皆の宝物」とほほ笑む。栞奈さんは「将来、結婚して娘、孫娘が生まれたら着せてあげられるように大切にしたい」と話す。まずは4年後、妹の茄鈴(かりん)さん(16)が成人式に着る「予約」を入れている。