琉球料理の専門家や飲食、観光業関係者らが、沖縄の伝統料理に関する正しい知識の普及、継承などを目的とした一般社団法人「琉球料理保存協会」の設立準備を進めている。指導者育成や後世に向けた伝承体制の構築も目指す。沖縄で独自に育まれた伝統文化として、泡盛とともに国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産登録を目指す運動との連携も視野に、月内にも発足する。

若者の琉球料理離れが進み、伝統的な家庭料理についても正しい調理法や味の伝承が求められている(写真はタイムス住宅新聞社発行の松本嘉代子氏の著書より)

庶民から遠のき、健康長寿も危ぶまれて

 安次富順子食文化研究所の安次富順子所長や松本料理学院の松本嘉代子学院長、日本観光振興協会沖縄支部の平良朝敬支部長、県飲食業生活衛生同業組合の鈴木洋一理事長、泡盛マイスター協会の新垣勝信会長らが参画する予定。

 過去には、戦後の食生活の変化で衰退が懸念されていた伝統料理の再興を目指し、沖縄調理師専門学校創設者の新島正子氏と琉球料理店「美栄」創設者の古波蔵登美氏が1962年に「琉球料理研究会」を立ち上げ、歴史研究家らを交えてレシピ作成などに取り組んだ例がある。

 現在、家庭料理も含め約200種のレシピがあるとされるが、近年では若者を中心に琉球料理離れが進む。ポーク缶を使ったチャンプルーが「琉球料理」として出回るなど、伝統食の定義を巡る課題も指摘されている。観光産業や飲食業にも影響が及ぶとし、幅広く人選が進められてきた。

 安次富氏は「指導者育成から多くの人が正しい料理に触れる機会の創出まで、幅広く対応できる組織になれば」と語った。松本氏も「琉球料理が庶民から遠のき、沖縄の健康長寿も危ぶまれている。正統な料理や味の伝承は急務だ」と保存会の意義を語った。(政経部・島袋晋作)