絶滅危惧種のウミガメ、タイマイが沖縄県国頭村辺戸岬近くの砂浜で産卵していたことを、村内に住む日本ウミガメ協議会会員の嘉陽宗幸さん(65)が確認した。これまでは同村楚洲が沖縄の北限で、約7・7キロ更新した。温暖化や個体数が増えた影響が考えられるという。

産卵とふ化が確認されたタイマイの子ガメ=2018年10月31日、国頭村・宇佐浜

嘉陽宗幸さん

産卵とふ化が確認されたタイマイの子ガメ=2018年10月31日、国頭村・宇佐浜 嘉陽宗幸さん

 嘉陽さんは昨年8月12日と同31日、辺戸岬すぐ南の宇佐浜(うざばま)で2カ所の産卵を見つけた。10月2日と同30日にはそれぞれの場所でふ化した子ガメが地上に脱出したのを確認した。産卵数とふ化率は177個(69%)、180個(58%)だった。

 過去にはさらに北の奄美大島や加計呂麻島でタイマイとみられる卵や子ガメの記録があるが、産卵とふ化をそろって観察した例はない。タイマイは東南アジアやオーストラリアに多く生息する。沖縄で産卵する他のウミガメ、アカウミガメやアオウミガメと比べても確認例が少ない。

 嘉陽さんは過去17年、産卵シーズンの4~9月は毎日村内の砂浜を調査している。村役場を定年退職し、オクマプライベートビーチ&リゾートに勤める今も仕事の前後に車を走らせる。「タイマイの産卵は分かりにくく、見逃さなくて良かった。今後定期的に戻ってくるか、楽しみに見守りたい」と話す。

 ウミガメ協議会付属黒島研究所の亀田和成主任研究員は「沖縄はタイマイ産卵地の北限で、外部要因の影響が表れやすい。温暖化や個体数増が考えられる」と分析する。

 嘉陽さんと協力して卵や子ガメがタイマイであると確認した沖縄美ら島財団総合研究センターの河津勲上席研究員は、「北限で定常的に確認できれば少なくとも絶滅に向かっていないことが分かる。調査には大きな意味がある」と語った。(北部報道部・阿部岳)