昨年6月末から8月中旬にかけて関東地方を中心に起きた特殊詐欺事件に関与した疑いで12月、沖縄県内の少年4人が相次いで逮捕された。少年たちは「短期間でもうかる仕事がある」などと誘われて県外に移り住み、犯罪行為に加担した疑いがあり、県警は17~20歳の十数人が関わったとみる。背景には会員制交流サイト(SNS)の普及で、普段は関わりの薄い者同士が簡単につながる現状が浮かび上がる。(社会部・豊島鉄博)

特殊詐欺の受け子勧誘の流れ

 事件は、特殊詐欺グループから指示を受けたとみられる中心人物の少年A(18)と、当時18歳と19歳の計3人が、直接現金を受け取る「受け子」などで特殊詐欺に関与したとして詐欺未遂や窃盗容疑で県警に逮捕された。他県警に逮捕された少年も1人いた。

 少年ら十数人は少年Aから「建築の仕事がある」などと誘われて上京。日当や勤務条件が県内よりも良いことが大きな決め手となった。多くは上京後に受け子をするように言われたという。

 少年たちは少年Aの地元の同級生や後輩が多かったが、中にはSNSを介して他の地域から呼ばれた者もいた。少年Aは怖くて逆らえない存在だったと言い、強固な主従関係の下で、都内の賃貸マンションの2LDKで集団生活をしていた。6畳の部屋には十数人が入りきらず、台所で雑魚寝をする者もいたという。

 特殊詐欺グループから、東京までの旅費を支払われたのはごく一部で、少年たちの多くは「後から支払うので立て替えておいて」と言われ、自ら負担。特殊詐欺の関与で得た報酬も受け取っていなかった。

 少年たちが逮捕されたが、特殊詐欺グループの実態は判明していない。県警の捜査幹部は、詐欺グループのトップがSNSを活用して集まる若者の特殊性を悪用して、若者を実行犯に仕立てている可能性もあると指摘する。

 県内の少年たちの間ではこれまで「タシマンチュ(他の地域の人)」を自らのグループに入れない風潮があったとし、「SNSの台頭でそれが変わりつつある。知らない者同士が簡単につながり警戒心も薄い。依頼に安易に応じ、その結果犯罪に巻き込まれている」と指摘した。