沖縄県本部町の海洋博公園で放流した絶滅危惧種のウミガメ、タイマイが約3200キロ離れたインドネシアで見つかっていたことが分かった。沖縄とインドネシア間の移動が確認されたのは初めて。論文を発表した沖縄美ら島財団総合研究センターの河津勲上席研究員は「双方の個体群が同一である可能性が高まった。国際連携と一体的な保護が必要になる」と話す。(北部報道・阿部岳)

海洋博公園ウミガメ館で飼育されているタイマイ(海洋博公園提供)

タイマイの長距離移動

海洋博公園ウミガメ館で飼育されているタイマイ(海洋博公園提供) タイマイの長距離移動

国際連携で保護必要

 タイマイは雄。衰弱していたため海洋博公園が保護し、少なくとも14年間飼育していた。回復後の2016年7月13日に標識を付けて公園の砂浜から放流した。甲羅の長さは約75センチ、体重は約48キロだった。

 放流から142日後の同年12月2日、赤道付近のインドネシア・ヤペン島で発見された。住民から保護団体を通じて美ら島財団に連絡があった。

 これまでの遺伝子研究でインドネシアと沖縄の個体群が交流していたことは分かっていたが、今も続いていることが初めて実証された。3200キロの移動確認も、東アジアで最も長い。

 過去の記録は13年に確認されたフィリピン・ルソン島から読谷村沖までの約1500キロで、2倍以上になった。

 河津さんら5人の研究者が共同で論文を執筆。昨年、琉球大が発行するオンライン学術誌に掲載された。河津さんは「タイマイの回遊や生態はまだ分からないことが多い。産卵地の北限である沖縄で研究を続けていきたい」と語った。