「この家の当主は信綱だよ~!」。粟国島に住む新城信綱は4年前に妻を亡くして以来酒浸り。そして今年は埋葬された妻の洗骨の儀式がある年で息子も娘も帰ってくる。

「洗骨」の一場面

 「洗骨」は死者が骨になった頃、きれいに洗い、初めて「この世」と別れを告げることができるという島の風習。

 息子にないがしろにされても娘の人生に一大事が起きていても、何もしないし何も言えない信綱と彼をばかにする周りに向かって放たれるのが冒頭のセリフ。信綱の姉である信子伯母の一喝なのだが、いたいたこんなおばちゃん。おせっかいだけれど愛情たっぷりで、誰かが困っているとほっておけないタイプだ。

 登場人物に注ぐ監督のまなざしの優しさは、見る者にいとおしい誰かを思い出させてくれる。(スターシアターズ・榮慶子)

シネマQ、シネマライカム、ミハマ7プレックス、サザンプレックスで18日から上映。