雨や曇りの日もまだ多いが、海は明るさを増してきた。もうすぐエメラルドグリーンに輝くだろう。海の幸・アーサ収穫の便りも届いた。裏通りのイぺーの黄色も鮮やかで、本格的な春の到来だ。別れやスタートの時季でもある

▼十数年ぶりに本島中部を中心に取材することになった。懐かしい顔に再会したり、初めての場所に行ったり。少々の緊張と楽しみが入り交じる

▼そんな中、米軍嘉手納基地所属のF15戦闘機からアクリル製の風防ガラスが落ちた。米軍機からの部品落下は、2000年以降だけでも、毎年のように続いている

▼今回、人身などの被害はなかった。しかし、もしも船の上に落ちていたら、住宅地なら、自分の頭の上なら…。事故後も飛び続ける米軍機のごう音の下で想像してしまう

▼嘉手納基地が見える「道の駅かでな」には、観光客が多く訪れ、滑走路をバックに記念撮影したりする。そういう人たちにとって、きっと基地は非日常なのだろう

▼しかし、基地に囲まれた暮らしが、私たちの日常だ。嘉手納基地を離陸した戦闘機の飛行ルート下にある、うるま市石川美原区の仲宗根洋子自治会長は「上空から落ちてくる物を防ぎようがない。いつまで我慢すればいいんでしょう」と話した。この異常な日常が、続いていいはずがない。(安里真己)