オリオンビールの買収を巡り、野村ホールディングス(HD)と米投資ファンドのカーライル・グループが、オリオンの全株式の取得を検討していることが21日、分かった。株式公開買い付け(TOB)を実施する特別目的会社(SPC)に、2社とともに嘉手苅義男会長が出資参加する案も浮上している。経営陣による自社株買収(MBO)の形式を取ることで、現経営体制の影響力を一定残すためとみられる。オリオンは23日にも取締役会を開き、了承する方針だ。

オリオンビールの株主構成

嘉手苅会長の出資参加案も浮上

 野村HDが買収額の過半を出資する方向で検討しており、今後の役員数の割り当てにも反映される可能性がある。ただ、嘉手苅会長の出資参加によるMBOで、オリオン側の意向も一定働くとみられる。

 株式の買い付け価格は、1株当たりの純資産額である約7万5千円を参考に検討しているとみられる。1957年の創立時に一般公募した際の1株当たりの価格は500B円(4ドル17セント)で、当時と比べると150倍近くなる。買収額は数百億円に上る見通しだ。

 ただ、政策的な考えで長期保有している法人株主など一部には売却に慎重な姿勢も見られ、最終調整が進んでいる。また、現在オリオン株の10%を保有する筆頭株主のアサヒビールとの関係も注目される。

 国内のビール類市場が酒の好みの多様化などで縮小傾向が続く中、オリオンも苦戦している。ビール類販売の経営環境が厳しさを増す中、外部資本による経営体制の強化の必要性から、野村HDなどとの調整を進めている。