沖縄戦に駆り出されたひめゆり学徒隊の足跡を伝える糸満市のひめゆり平和祈念資料館の普天間朝佳館長と前泊克美学芸員が21日、沖縄県庁で記者会見し、開館30周年事業の概要を説明した。目玉となる展示リニューアルは来年7月をめどに実施。普天間館長は「親世代はおろか、祖父母にも戦争体験がない来館者が増えている。戦争の状況だけでなく、体験者である元学徒がその時に抱いていた思いも展示に反映させたい」と意欲を見せた。

ひめゆり平和祈念資料館の開館30周年事業を説明する普天間朝佳館長(右)と前泊克美学芸員=日、県庁

 リニューアルは2004年以来。学徒動員から戦場体験、戦後に至る現展示の流れは踏襲しつつ、戦後世代が分かりやすい表現を盛り込み、増加する外国人観光客や里帰りする県系人にも足を運んでもらえるよう多言語化を進める方針を掲げた。このほか17年10月に開所した同資料館の付属組織「ひめゆり平和研究所」の事業として学徒や資料館の紹介文を英訳し、平和博物館のネットワークで世界へ発信していく。

 1989年6月23日に開館した同資料館の入館者は、99年度の100万6660人をピークに減少傾向にあり、入館期間が9カ月の開館年度を除くと2017年度は過去最少となる55万5546人にとどまった。18年4月に館長が初めて戦後世代となり、非体験者による若い世代への継承、旅行客や県民へのアピールが課題となっている。