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モバイルプリンスこと島袋コウさん 「ハンストは自分にも『責任』」 基地問題どう伝えるか

2019年1月23日 05:01

 「彼は署名してくれた人たちに責任を果たすため、やれることをやっているんですよ」。「辺野古」県民投票の会代表の元山仁士郎さん(27)が県民投票の全県実施を求めてハンガーストライキを行う中、ツイッターでこんな投稿が流れた。投稿したのは「モバイルプリンス」と名乗るスマートフォンアドバイザーの島袋コウさん(32)。元山さんをハンストに至らせた責任の一端を感じ発信した。(「県民投票」取材班・比嘉太一、岡田将平)

「長年のつけが元山君に全部来ていると感じた」と語る島袋コウさん=21日、沖縄タイムス社

島袋さんが元山さんのハンストについて綴ったツイート

「長年のつけが元山君に全部来ていると感じた」と語る島袋コウさん=21日、沖縄タイムス社 島袋さんが元山さんのハンストについて綴ったツイート

 島袋さんは、スマートフォンの使い方講座の講師やテレビ・ラジオのパーソナリティーを務める。ツイッターのフォロワーは約8千人いる。

 高校の後輩にあたる元山さんに初めて会ったのは昨年4月。県民投票への協力を依頼されたが、当時は「中立的な立場でいたい」とやんわり断った。

 沖縄市出身の島袋さんにとって米軍基地は身近な存在だ。高校3年生の夏休みだった2004年8月、沖縄国際大学に入学願書を取りに行った際、米軍ヘリの墜落事故に遭遇した。「やべえ」。窓越しに目撃した墜落ヘリの残骸。そんな体験をしても基地問題への興味は湧かなかったという。

 心境の変化は数年前から。講座でスマホの操作方法を教える高齢者に終戦後の話を聞いたり、沖縄の歴史を知ったりするうち基地問題について考えるようになった。

 元山さんがハンストに至ったのは、さまざまな関係者に県民投票条例の制定を呼び掛けやっと実現したにもかかわらず、5市での実施が困難となったことが背景にあると理解する。

 長年問題となっている新基地建設。「そのつけやしわ寄せが元山君に全部来ている」と自身も責任を痛感した。元山さんが気掛かりで、ハンストの現場にも足を運んだ。

 基地問題の背景には沖縄の長い歴史がある。島袋さんは、その歴史の上に自身も立っていると思う。ヘリの墜落を見ても無関心だったのは「知らなかったから」と自戒する。

 県民投票は地元の沖縄市も不参加を表明した。「市議の反対で投票できなくなるとは。選挙は地縁血縁でなく、政治スタンスを見極めて票を投じる重要性を痛感させられた」と話す。

 自身のフォロワーからは「携帯のことだけつぶやいていれば」「何で政治の話するの」との反応もある。それでも発信するのは、基地問題に無関心だったことへの「贖罪(しょくざい)」のような気持ちから。かつての自分と同じような人にどう伝えればよいか、考えを巡らせている。

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