日本人の2人に1人が持つカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営する「Tカード」。慣れ親しんでいるだけに、履歴情報が裁判所の令状なく捜査機関に提供されていたと知ってぞっとした

▼名前や住所、電話番号などの会員情報、どこで何を買ったかの購買行動、借りたビデオの履歴まで。以前は令状の提示を求めていたが、2012年からは「捜査関係事項照会書」があれば個人情報を出していたという

▼違法性がないとはいえ、規約などで会員に周知されておらず、プライバシー保護の問題が指摘されている。同社は個人情報保護方針を改訂し、規約にも明記すると発表したが、消費者の懸念に答えているとはいえない

▼グーグルなど大手IT企業は、政府や捜査機関からの情報請求、応じた数を明示した「透明性リポート」を一般公開している。LINEも採用しており、請求や開示が増えていることが一目で分かる

▼企業にとって顧客の購買情報はマーケティングに生かすなど貴重な要素でもある。だからこそ、その管理や保護、捜査協力への適正さ、情報提供の透明性を高めることが求められる

▼身の回りにあふれるカード。規約は十分に読んだか、個人情報の取り扱いはどうか。利用者は、ポイントと引き換えた個人情報の行く先に、もっと関心を持つことが必要だろう。(赤嶺由紀子)