沖縄県名護市辺野古で18日、火事がないことを願う伝統行事「ピーゲーシ(火返し)」があった。集落を走る若者たちを「火の霊」に見立て、住民たちが水を浴びせ、厄払いをした。

待ち構えた住民から若者たちに水が掛けられた=18日、名護市辺野古

 午後8時半ごろから青年会の若者たち十数人が拍子木を打ちながら、火の用心を呼び掛けて集落を2巡。その後、若者たちが三つに分かれて、集落の通りを駆けると、道沿いに潜んだ住民たちが水を掛けた。

 小学5年の當山悠空さん(11)らは数人の子どもたちと自宅前で若者たちを待ち伏せ。水風船を投げ、「火事が起きませんようにー」と叫んだ。笑顔で楽しみつつ、「辺野古区民に被害が起きないように」と願った。消防団に所属する川上将吾さん(37)は子どもたちが投げやすいようにと水風船を用意したという。「火災の恐ろしさを分かってもらい、防災に興味を持ってほしい」と話した。

 集落の歴史をまとめた「辺野古誌」によると、大正時代に20軒余りが焼けた火災があり、翌年から毎年この時期に行われるようになったという。青年会長の佐久本義也さん(28)は、「住民が意識して火の用心をしてくれればいい」。自身も水でぬれ、「寒い思いもするが、水を掛けられて光栄」と語った。