2017年度までに沖縄県内市町村や県が出した墓地の経営許可件数は累計1万1647件となり、13年度からの5年間で2500件増えたことが県衛生薬務課などのまとめで分かった。累計数のうち個人墓が2494件増の1万1527件で99%を占め、血縁関係を重視し墓を家族単位で管理する沖縄の慣習が背景に浮かぶ。一方、継承者が途絶えた無縁墓が都市計画の妨げや不法投棄など生活環境の悪化を招くケースも目立つ。県は公営や法人運営の墓地活用を呼び掛けるとともに、市町村に公営墓地の整備や墓地集約計画の策定を働き掛けている。

県内の墓地許可数(累計)

無縁化で生活環境に影響も

 個人墓以外の許可の内訳は宗教法人46件、地方公共団体38件、公益社団・財団法人27件、その他(郷友会や区など)9件。保健所別では中部が8087件(うち個人墓8039件)で突出して多く、次いで南部2708件(同2649件)。八重山の89件と北部の48件は全て個人墓だった。

 墓地の経営許可などの権限は法律改正などに伴い、16年4月までに県から市町村に移された。墓地埋葬法は個人の墓所有を原則認めていないが、山間へき地などで既存墓地を利用できない場合は例外として許可される。所属する寺院に墓を建てる檀(だん)家(か)制度などになじみが深い本土と異なり、沖縄は個人墓を建てる慣習が根強い上、公営墓地の整備が19市町村(昨年10月時点)にとどまり空き区画が少ない事情も重なって個人墓が増えてきた経緯がある。

 その結果、受け継ぐ人が途絶え無縁化する個人墓が後を絶たず、行政が把握できない無許可の墓も相当数に上るとみられる。直近では嘉手納町や沖縄市の公園などで所有者や身元不明の墓や遺骨が見つかり、防災対策で支障が出ている問題も表面化した。

 県衛生薬務課は、市町村によっては公営墓地に必要な土地の確保が難しい課題もあると指摘。「個人墓地を一定の区域に集約する考え方で、墓地行政に取り組むようお願いしている」と説明する。

 各地域の実情を踏まえた墓地基本計画は、昨年10月時点で27市町村が策定を済ませた。