オリオンビール(沖縄県浦添市、與那嶺清社長)は23日の取締役会で、MBO(経営陣が参加する株式買収)の実施について了承した。野村ホールディングス(HD)と米投資ファンドのカーライル・グループらが出資するSPC(特別目的会社)「オーシャン・ホールディングス」が近くTOB(株式公開買い付け)を実施し、子会社化する。與那嶺社長らが同日午後5時から、本社で会見する。

オリオンビール

 取締役会では、株主にTOBへの応募を推奨することも決議した。オリオンビールは1957年に創業し、今年はビールの販売開始から60周年の節目。外部資本の傘下に入り、大きな転換期を迎える。

 オリオンは「MBO実施で企業価値の向上につながり、TOB後も『県民のビール』というアイデンティティーが維持される。新体制の下、幅広い世代から愛されるビール会社となり、沖縄に根差した企業としてのDNAを維持する」などとしている

 国内のビール類市場は酒の好みの多様化や人口減少を背景に縮小傾向が続く。オリオンは今回企業の事業承継や経営支援のノウハウを持つ野村HDやカーライルの力を借りて、経営の合理化や海外販路拡大を推進する。

 オリオンの株式数は72万株。野村HDらは県内の個人を中心に599人いる株主からTOBで株式を買い付ける。株式を集約し、経営の迅速な意思決定につなげる。

 オリオンの2017年度決算によると、売上高は前期比1・3%増の262億9300万円。経常利益は3・6%減の32億7800万円、純利益は12・9%減の23億4900万円。ビール類の売上数量全体の約8割を占める県内では前期比1・7%と苦戦していた。