昨年11月から3カ月連続で流星群の出現があった。沖縄はいずれも雨や曇りで観察できない日が続き、残念がった人も多いのではないか

▼月明かりのない晴れた夜なら肉眼で楽しめる。夜空を広く見渡して流星を待っていると、時のたつのを忘れる。日常のささいなことに一喜一憂する自分の小ささを実感する

▼星の並びをサソリやヘビ使いや羅針盤に見立てた古人のロマンに思いをはせる。流れ星をフシヌヤーウチ(星の引っ越し)と表現した沖縄の先人の想像力に敬意を抱く

▼そんな星空に人工衛星で広告を映し出すビジネスをロシア企業が計画し、天文学者が反発しているという。見られる範囲など不明な点も多いが、確かに企業ロゴや商品画像が浮かぶ夜空はあまり想像したくない

▼日本ではベンチャー企業が開発した流れ星を人工的に発生させる衛星が打ち上げられた。放出したビー玉サイズの金属が大気とぶつかって燃える仕組み。望む時刻、場所でいくつもの流星を降らすことができるという。技術者と経営者の挑戦に水を差したくないが、流れ星ファンとしてはありがたみが薄れそうで複雑な気持ちになる

▼流れる時間も3~10秒と長め。一瞬で消える本物と違い、3回願いごとを唱えるには十分だ。願いごとの切実さも、かなった時の喜びも軽くなりそうで残念な気もする。(田嶋正雄)