第61回九州地区スポーツ推進委員研究大会沖縄大会(主催・全国スポーツ推進委員連合など)が19日、那覇市の県立武道館であり、元WBA世界ジュニアフライ級王者の具志堅用高さんが「私のボクシング人生」と題して講演した。具志堅さんらしいユーモアを交えて語られる「世界王者の軌跡」に、九州各県から参加したスポーツ関係者ら約2千人が聞き入った。
具志堅さんは石垣島出身で、興南高校でボクシングと出合った。セミを食べたり、ウナギを素手で捕らえるまで家に帰らなかったりとやんちゃな幼少期を過ごし「最後まで諦めない精神的な強さ、根性、勇気は石垣島で身に付いた」と振り返った。
友人に誘われて入ったボクシング部のエピソードでは「先輩と対戦するから殴られてばかり。目の前が暗くなってさ、虹がきれいに浮かぶんだネ」とおどけ、笑いを誘った。プロデビュー後も王者になるまではつらいことも多く「小さい体でやっていけるわけないと、那覇に帰ったこともある」と告白。プロになって5、6試合目で自信を持てるようになったという。
選手を育てる側になってからは「高校で全国制覇できなかった子を世界に送り出し、チャンピオンになるチャンスをつくりたい」と熱意たっぷり。若手の選手には「感謝する気持ち」「あいさつの大切さ」を伝えているという。
同大会では、生涯にわたりスポーツに親しむ社会の実現を目指す九州のスポーツ推進委員が集い、各地域の取り組みの成果や課題を共有している。