沖縄県宮古島市の宮古新報社が全社員に解雇通知を出した後も、社員が独自で新聞発行を継続していることを受け、同社は23日、新聞事業を第三者に売却する契約を結んだ。新たな経営者の下で2月1日から再出発する。

解雇が通知された以降、社員が自主発行を続けている宮古新報

 事業を買い取ったのは、宮古新報社と契約している税理士の関連会社。社員の雇用は継続する。

 全社員が解雇通知を受けたのは今月10日。宮古新報労働組合(伊佐次郎委員長)は「社長のセクハラやパワハラの改善を求めてきたことに対する報復措置。組合敵視の不当解雇だ」と訴え、翌11日から2週間にわたって自主発行を続けている。通常の8~12ページから4ページに縮小し、社員11人が編集や制作、印刷業務に当たる。

 伊佐委員長は「創刊51年の歴史の中で地域に果たしてきた役割がある。ギリギリの人数ではあるが、読者のため発行することを決めた」と話す。

 3分の1の社員が去ったため、紙面は1面と社会面、テレビ欄、行事・催し物情報に絞った。解雇通知を巡る経緯や新聞発行に掛ける思いを伝えようと、13日付朝刊からは社会面でコラム「社窓風景」を掲載している。

 減ページに購読者も一部離れたが、読者からは「応援するから頑張ってね」との激励の電話や新聞投稿のほか、新規購読や1ページ分の広告枠を買い取っての支援もあった。伊佐委員長は「読者がいかに地元の新聞を大切に感じてくれているかが分かり、大きな励みになった」と感謝する。

 新聞事業を買い取りたいとの申し出は、県内外から複数あったという。新たな経営者は近く正式に発表する。