沖縄県立中部農林高校(うるま市)の生徒たちが、同校で育てた鶏肉を活用した商品「鶏味出汁(とりみだし)」を開発した。ICT機器を活用して、マーケティングやコンセプト決定から、調理・加工、ネーミングとキャッチコピーの作成など一貫して担った。来年度以降、「鶏味出汁」をはじめ、鶏味出汁をベースに使った商品を毎年1商品ずつ開発し、シリーズ商品として販売する構想も温めている。(政経部・川野百合子)

中部農林高校食品科学科の生徒たちが作った商品「鶏味出汁(とりみだし)」(中央)。これをベースに来年度以降、シリーズ商品開発を構想。クリームシチューとチキンカレーは、イメージ見本(ノイズ・バリュー社提供)

チキンを解体しスープの試作品作りをする生徒たち=2018年10月2日、県立中部農林高校(ノイズ・バリュー社提供)

専門家の指導を受けながら商品の撮影に取り組む生徒たち=11月21日、県立中部農林高校(ノイズ・バリュー社提供)

中部農林高校食品科学科の生徒たちが作った商品「鶏味出汁(とりみだし)」(中央)。これをベースに来年度以降、シリーズ商品開発を構想。クリームシチューとチキンカレーは、イメージ見本(ノイズ・バリュー社提供) チキンを解体しスープの試作品作りをする生徒たち=2018年10月2日、県立中部農林高校(ノイズ・バリュー社提供) 専門家の指導を受けながら商品の撮影に取り組む生徒たち=11月21日、県立中部農林高校(ノイズ・バリュー社提供)

シリーズ商品の販売構想も

 食品科学科の2年生37人が開発した。県の普通教室ネットワーク構築事業を活用。生徒の商品開発は多くあるが、進級で生徒が変わると、それまでのノウハウや経験の継承が難しく、またゼロからのスタートとなることが課題だった。単発で終わらないために、次年度以降も使えるコンセプト決定、その前提となるマーケティングや商品分析などにも挑戦した。

 鶏味出汁は、鶏肉と地域食材を使ったスープ。商品名は「おいしすぎて取り乱し注意」という意味が掛けられている。鶏肉は熱帯資源科で飼育する鶏で、クヮンソウ、津堅ニンジンなど地域食材を中心に製造。同高校が過去に開発した酸乳飲料も使った。

 そのままでもいいが、麺と合わせたり雑炊にしたり、1品足すと手軽に料理が作れるというコンセプトだ。来年度以降は、鶏味出汁をベースにしたクリームシチューやカレーなど、新たな商品開発を見込める。

 同商品は現在、賞味期限設定のための試験にかけられているという。今後、商品を販売するには、卸値を決め、商品を識別するためのJANコード取得が必要。授業をコーディネートしたノイズ・バリュー社の青木元取締役は「販売のハードルはそこまで高くない。小売価格500~650円程度であれば、取り扱う店もあるだろう」と話す。

 生徒の島袋愛奈(よりな)さん(17)は「難しいところもあったが、授業でたくさん学べた。毎年開発し、10年後には10商品となるといい。将来的には県外にまで販路を拡大できたら」と期待した。