誰もが犯人に見えてくるほど、くせ者だらけ。訳ありの宿泊客たちと向き合うことで「水と油」が少しずつ混ざり合う。プロ2人の視点が事件の奥深くに隠れた真意を捉えていく。

 3件の殺人事件が発生。次の現場と目される一流ホテルに刑事の新田浩介がスタッフとして潜入し、フロントに配置される。指導に当たったのはホテルスタッフの山岸尚美。

 人を疑う刑事と宿泊客を信じ、尊重するホテルスタッフは信条の違いから何度も衝突。だが、接客トラブルを通して互いの気概を認め合い、事件の全貌を明かしていく。

 東野圭吾の同名小説が原作。手の込んだ筋立てに、登場人物たちのプロの仕事や心情の機微を絡めていく味わいはそのまま。あくの強い宿泊客の描写は、映画ならではのインパクト。脇役が光る。(学芸部・松田興平)

シネマQ、シネマライカムで上映中