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  • 軍関係者を装い、結婚をほのめかして現金をだまし取る詐欺が発生
  • 恋愛感情を利用し一度も会わずに送金させる「国際ロマンス詐欺」か
  • 50代女性は「数億円を送金したいが、費用が必要」と約160万円の被害

 海外の軍関係者を装い、恋愛感情を利用して金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」。県内でも複数の被害が明らかになった。被害者を支援するNPO法人によると、県外では「沖縄の基地で勤務した」とうそをつくケースもあった。県警は組織的犯行の可能性もあるとみて詐欺容疑で捜査している。(社会部・新垣卓也)

フェイスブックなどSNSを通じて接触

国際ロマンス詐欺の一例

フェイスブックなどSNSを通じて接触 国際ロマンス詐欺の一例

「除隊後、君と結婚したい」

 「除隊後、君と結婚したい」。昨年11月、沖縄本島南部に住む50代女性の携帯にメッセージが届いた。県警によると、相手は海外の軍人を名乗る男で、フェイスブックを通じて知り合った。

 男は英語や片言の日本語で「テロリストと戦っている」などと語り、女性は好意を抱くように。「数億円を送金するのに費用が必要だ」と言われるまま約160万円をだまし取られ、一度も会えなかった。

 昨年8月には本島中部に住む40代女性が、会員制交流サイト(SNS)で知り合った自称軍医の男に約95万円の送金を指示された。

 捜査幹部は「特殊詐欺と同様に、役割分担された組織的犯行の可能性がある」と指摘。「SNSで相手の顔は分からない。容疑者が外国人とは限らず、日本人かもしれない」とみる。

5400万円被害のケースも

 被害は全国各地でも確認されている。福岡、埼玉両県警の合同捜査本部は22日、福岡県や札幌市の50代女性ら3人から金をだまし取ったとして、ナイジェリア国籍の男ら4人を詐欺容疑で逮捕した。

 被害者を支援するNPO「M-STEP」(千葉県)は昨年5~12月、全国の被害者アンケートで481件の回答を得た。

 金銭をだまし取られたのは131人で、被害額が5400万円に上ったケースも。被害者への「贈り物」にかかる通関費用や、退役のための金を要求する手口が確認されている。軍人や軍医を名乗ることが多く、SNSのアカウントで表示される顔写真などは、実在する人物のものが使われていることもあった。

 同法人の新川てるえ理事長は「沖縄や横須賀など在日の米軍基地で勤務経験があるとうそをつき、信用させる事例もある」と明かす。「戦地のアフガニスタンやシリアの軍人などを名乗る場合はほとんどが詐欺。SNSなどで接触してくる外国人アカウントには十分注意してほしい」と警鐘を鳴らす。