2018年12月、グロービス経営大学院東京校にて「G1カレッジ」というイベントが開催された。「テクノロジー・経営」における創造的破壊とは? 100の行動 2.0」と題されたパネル討議では、DMM.com 会長の亀山敬司氏、遺伝子解析サービスを展開するジーンクエスト(東京都港区)社長の高橋祥子氏、Gunosy 取締役 ファウンダーの福島良典氏、セガサミーホールディングス社長の里見治紀氏が登壇し、約100人の大学生らに講演した。

亀山敬司(かめやま けいし)DMM.com 会長。1961年石川県生まれ。19歳でアクセサリー販売の露天商から起業家人生をスタート。 プールバー、雀荘、喫茶店などさまざまな事業を展開後、80年代後半レンタルビデオ店を開業。 99年にデジタルメディアマートを設立(現:DMM.com)。現在は、DMM.comグループの会長として、動画配信、オンラインゲーム、英会話、FX、ソーラーパネル、3Dプリンター、VRシアターなど、業界の垣根を越え、多岐にわたり事業を展開している(以下、写真提供:一般社団法人G1 撮影:竹内弘真)

 記事の前編(DMM亀山会長がベンチャーブームに物申す「プレゼンがうまいだけの起業家が増えている」)では、亀山会長が最近のベンチャーブームに思うところを述べた。後編では、テクノロジーが進化しきった後の「5Gの世界」についての考えをお届けする。亀山会長が見通すテクノロジーが進化した後の「次の世界」とは? (モデレーターを務めたセガサミーの里見氏の発言は――としています)。

独占できる思考を持てば給料は無限に上がる

――前編でもテクノロジーの話をしてきましたが、テーマが「テクノロジーと経営」ということなので、ここからは経営寄りの話をしていきたいと思います。皆さんは今どういう人材を募集していますか? 新卒や中途採用も含めて教えてください。

亀山: やっぱり、AIとかITとかが分かる人がいいかな。だから就活するなら、そういった感じのことをやってる企業がおすすめ。まあ一番のおすすめはうちなんだけどね(笑)。そういう企業に入っていれば、職種にかかわらずイマドキの仕事とかテクノロジーのことが分かるからね。その上で4~5年たってから銀行やゼネコンなどの異業種に移れば、その企業から高い給料で迎えられる可能性はあると思う。だからこれからの就職の仕方でいえば、そういう考え方が一番正しい気がするね。

福島: これから有利になる場所に行った方がよくて、そこに適した人間を僕は採りたいなと思っています。今の経営スタイルが20年前と違うように、20年後の経営のやり方も今とはずいぶん変わっていると思います。僕は最近「プロスポーツ経営」のようになると考えているのです。というのも「新卒一括採用で採用して、育成をして、ちょっと平均よりも低い給料にして利益を出す」というビジネスモデルはすでに破綻していると思っています。なぜならどこの企業も、SNSによって給料の相場が共有されてしまうからです。

 一方でその裏返しとして、稼げるサービスとか本質的に企業の成長に関われるコアな人材はごく少数で、残りの人たちがオペレーティブな仕事をする組織が増えると思います。だからそのコアな人材をいかに捕まえてマネジメントするかが重要になっていく。だから皆さんも20年後に有利になれるようなスキルを持っておくべきだと思います。その一つがテクノロジーであり、前編記事でも申し上げたような「独占できるものを考える思考や手法」ですね。

 それはソフトウェアであり、ものすごく短期間に独占できる可能性が高まっています。独占できる思考を身に付け、貢献できる人材になると、自分の給料は無限に上がっていきます。しかしそうじゃないところに行ってしまうと、能力に関係なく給料とかチャンスに天と地ほどの差が生まれてしまいます。同じ能力であっても「何を選んだか」によって差が開く時代なのです。逆にいうと情報はあふれているので、きちんと調べて有利な場所に行くと、情報がどんどん集まってきます。そのサイクルを回した人がこれからは活躍するし、そういう人を僕は採りたいと思っています。

Gunosy 取締役 ファウンダーの福島良典氏